順天堂大学脳神経内科学教授 服部 信孝
パーキンソン病とは?
パーキンソン病患者数は、現在、10万人当たり120-130人、恐らく今後150人前後になるであろうと推定されております。
パーキンソン病の危険因子の一つに加齢がありますので、我が国の高齢化社会に伴って、今後パーキンソン病は増加することが予想されます。平均発症年齢は50-60歳がピークで、臨床症状としては、じっとしているときに震える、動作が緩慢である、筋肉がかたくなる、そして転びやすいなどの姿勢反射障害が認められます。
神経病理医学的には、亡くなった方の脳の所見からはドパミン神経細胞の脱落と残っている神経細胞にレビー小体が出現するというのが特徴です。
特徴的なのは性格が、極めてまじめな方に多いと言われています。すなわち、まじめである=人生の成功者にパーキンソン病が多いとも言われています。

パーキンソン病患者の脳で起こっていることは先述の通り、中脳の黒質(ドパミン神経細胞)の脱落、そのドパミン神経細胞の減少(ドパミン量の減少)であり、最終的にパーキンソンニズムと呼ばれる臨床症状を呈するのがパーキンソン病です。
そして、残っている神経細胞に認められているレビー小体のその形成の機序を明らかにすることが、パーキンソン病の発症機序の解明につながると言われています。
パーキンソン病で黒質が障害されるとどういうことが起こるのでしょうか。パーキンソン病の中心である黒質の神経細胞が変性脱落すると、ここでつくられている神経信号の減少が起こります。そのドパミンが減少していると黒質からその行き先である線条体への信号がうまく伝わらなくなります。その結果として運動症状が発現すると考えられています。
パーキンソン病の病態
パーキンソン病には、振戦、固縮、動作緩慢、姿勢反射障害の四つの代表的な臨床症状があります。運動系が障害されるのがパーキンソン病の特徴ですが、パーキンソン病の最近の臨床研究においては、単に運動障害だけではなく、さまざまな症状を来すこともわかってきました。したがって、パーキンソン病を運動障害の疾患という考え方から運動障害だけではなくて認知症、自律神経症状、うつ等の精神症状も来すということがわかってきました。

パーキンソン病の臨床経過を見ると、診断・治療開始から5年程度経過すると薬の副作用が出始めることがあり、10年程度経過では認知症の前段階とも言われている幻覚等が出現することがあります。パーキンソン病における認知症の発症頻度は、現在の解析結果においてはおよそ40%程度とされていますが、50%近くが認知症を来す可能性があるとも言われています。
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