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<スズケンDIアワー> 平成23年7月14日放送内容より スズケン

直接Ⅹa阻害経口抗凝固薬 エドキサバントシル酸塩水和物


大阪厚生年金病院 副院長
冨士 武史

有効性:主要評価項目(VTE発現率)

 TKAで行われた第3相試験でのVTE発現率は、エドキサバン群で7.4%、エノキサパリン群で13.9%と、エドキサバンはエノキサパリンに比較して非劣性であっただけではなく優越性も確認されました。出血事象の発生頻度は、エドキサバン群で6.2%、エノキサパリン群で3.7%と群間で有意差はありませんでした。同じようにエノキサパリンを対照薬として行われたTHAの第3相試験でのVTE発現率は、エドキサバン群2.4%、エノキサパリン群6.9%で、こちらも非劣性のみではなく優越性も証明されました。

安全性:主要評価項目

 一方出血事象の発生頻度は、エドキサバン群2.6%、エノキサパリン群3.7%と2群間で有意差はありませんでした。両方の試験を通じて、薬物の副作用と思われる肝機能障害についてはエノキサパリン群で有意に多く、エドキサバンがこの点でも安全であることが確認されました。HFSについては、プラセボや対照薬の群を設定した試験は行われていませんが、ベンチマークとしてエノキサパリン群を設定した試験によって、エドキサバン群のVTE発現率6.5%・出血事象の発生頻度3.4%、エノキサパリン群のVTE発現率3.7%・出血事象の発生頻度6.9%、と言う結果で、エノキサパリンと同等の有効性と安全性を持っていると考えられました。


icon まとめ

 以上をまとめますと、エドキサバンはTKAおよびTHAにおいて十分な症例数の第2相試験で用量依存性に効果が発現することが確認され、その後VTE予防の標準薬と考えられているエノキサパリンを対照薬として行われた第3相試験で非劣性と優越性が確認されています。出血は抗凝固薬の主な副作用と考えられていますが、出血事象についてもエノキサパリンを対照薬とした場合に有意差はありませんでした。
 エドキサバンは整形外科手術のうちの人工股関節置換術・人工膝関節置換術・股関節骨折手術のみにしか適応が認められていません。しかしこれらの手術に伴う静脈血栓塞栓症の予防には、間歇的空気圧迫法あるいは抗凝固療法が奨められており、抗凝固療法を行う場合に経口薬であること、肝機能障害を起こしにくいこと、等の長所があるエドキサバン(商品名:リクシアナ)は有力な候補と考えられます。

 

提供 : 株式会社スズケン



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