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<スズケンDIアワー> 平成23年7月21日放送内容より スズケン

DI実例集(172)ファイルメーカーを用いた治験管理システム―


徳島大学病院薬剤部薬品情報室長
伏谷 秀治

icon 臨床管理センターでの活用

治験管理データベース

 データベースの入力、活用の中心になるのはやはり臨床試験管理センターです。
 治験管理データベースの中には複数のデータベースを「テーブル」として持っています。このテーブル同士は必要であればリレーションを設定できます。テーブルに入力されたデータは別のテーブルのデータと併せて表示させることができますから、一覧表にしたり、報告書にしたり、同じデータを何度も入力する無駄をしないですみます。レイアウトの変更、データを絞り込んで表示、などの定型的な作業はできるだけひとつのボタンですむように、ボタン一つ一つにスクリプトを設定してあります。これらのボタンをタブを使って臨床試験別、目的別に集めた「メニューウインドウ」を別に置くことですっきりわかりやすくできたと思います。

治験管理データベースで管理しているデータベース

 現在、テーブルは治験、製造販売後調査、食品臨床試験、医師主導臨床試験の4つの臨床試験の管理、治験参加者の来院予定の管理、来院予定を表示させるカレンダーデーベース、治験薬の納品・払い出し・返納等の受け払いの管理と管理表の印刷フォーム、同意書の管理、治験参加医師の履歴・研究歴等の管理、治験審査委員会議事録の管理など、数にすると約30あります。最初は治験の管理と同意書の管理、治験薬の管理の3つのデータベースから始まったのですから、隔世の感があります。ファイルメーカーはテーブルの追加等、データベースの構築が簡単なので、臨床試験管理センターの人が必要に応じて新しいデータベースを作り、ある程度運用したあとで私が他のデータベースと連携させたり、データの再利用がしやすくなるように修正を加えたりしています。

公開用議事録

 臨床試験管理センターでは、各種報告書、契約書を作成するために、条件に合うデータを検索し、絞り込みます。次に各種条件でソートをかけ、項目別に分類し、一覧性を高めます。さらに決まった書式にあわせるために、データの数に応じてフォントの大きさを自動的に変えるなどして、データを整形し、書類に仕上げます。このように決まった手順とか決まった書式、というところがデータベースソフトを利用すると楽になるところです。例えば2008年のGCP改正により、治験審査委員会における会議の記録の概要を公表することになりました。これをうけて議事概要の公開用レイアウトを作製するスクリプトを作りました。この議事概要作製スクリプトでは、治験管理データベースの方ですでに審議日と修正、承認などの議事内容と審議結果をデータベース化してくれていましたので、それらを元に項目を分類する計算フィールドを設定し、一連の手順をスクリプトにしました。
公開する議事概要は、

 ・課題名は載せない、当院における治験管理用の整理番号のみを表示させる。
 ・開発番号あるいは成分記号は依頼者申請時の名称を用いる。
 ・一般名は依頼者申請時の名称を用いる。
 ・第Ⅲ相試験については対象疾患を記載する。
 ・審議内用は「新規・継続申請、治験実施計画書等の変更、担当医等の変更、安全性情報」等があり、治験についてはこれらの審議事項を1件ずつ個別に掲げるが、上記項目のうち依頼者より要望があったものに関してはマスキング可能な場合もある。また、製造販売後試験については本来報告する必要はないが、当院では治験と同様に治験委員会で審議していることもあり、「まとめて何件」という形式で公開する。

のように運用しています。最初は「ボタン一つで出来るようにする」と大見得を切ったのですが、すぐに泣きを入れました。新規申請の審議結果と、変更・報告の審議結果の二つにわけさせてもらい、あまつさえ新規申請がある場合と無い場合にも分けさせてもらってボタン3つに落ち着きました。負け惜しみになるかもしれませんが、検索がヒットしなかったときのエラーコードの取得方法がわかれば、ボタンの数を減らすこともできるだろう、と考えています。自己リレーションを利用した重複チェックというテクニックも、初めは何のことやらさっぱりわからなかったのですが、ファイルメーカーの質問掲示板で偶然目にした一行で開眼したということもありますので、こちらのボタンもいつか一つに統合できるかもしれません。希望的観測ですが。

 

提供 : 株式会社スズケン



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