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<スズケンDIアワー> 平成23年7月28日放送内容より スズケン

抗うつ薬(SSRI) エスシタロプラムシュウ酸塩


日本医科大学千葉北総病院メンタルヘルス科部長
木村 真人

icon 臨床試験成績から

 エスシタロプラムの臨床成績について紹介したいと思います。

国内臨床試験―MADRS合計点変化量の推移

 こちらは国内で行われた急性期のうつ病に対する有効性を示した臨床試験成績です。国内での検証的試験として、プラセボとパロキセチンを対照とした二重盲検比較試験を行い、プラセボに対する優越性とパロキセチン1日20mg~40mg投与に対する非劣性を検討しました。その結果、エスシタロプラムの1日10㎎、20mg群はいずれも投与3週後から効果が現われ、投与6週時よりプラセボ群に対して有意な改善が認められ、その改善は8週時まで持続しました。また、ここでは実薬対照であるパロキセチンに対しての非劣性も同時に検証されました。この様に、エスシタロプラムは初期用量である10mgで急性期のうつ病に対して優れた効果を発揮し、既存薬であるパロキセチンと比較してもその効果が劣っていない薬剤であることが示されました。


観察期にいずれかの群で5%以上発現した有害事象

 エスシタロプラムの国内臨床試験の安全性成績です。ここには、いずれかの群で5%以上発現した有害事象を示しております。エスシタロプラム投与群で頻度が高かった副作用は、傾眠、悪心等で、SSRIに一般的に認められる副作用でした。体重増加はほとんどなく,肥満と関連した過食症の治療にも有益であると思われます。また、中止後症状としては浮動性めまい、悪心などが比較的低頻度で現れましたが、いずれも症状は軽いものでした。


海外プラセボ対照二重盲検再発予防試験

 海外の臨床試験成績についてご紹介いたします。継続治療により寛解が維持されている大うつ病性障害患者を対象に、エスシタロプラム10~20mg/日の再発予防効果についてプラセボを対照として比較したものです。維持治療期における再発に至るまでの期間(平均値±標準偏差)は、エスシタロプラム群252±134日、プラセボ群130±135日であり、エスシタロプラム群はプラセボ群と比べて統計的に有意に長い期間であり、エスシタロプラム群のプラセボ群に対する再発予防効果が示されました。この様に、エスシタロプラムは急性期のうつ病に対する効果のみではなく、維持治療により寛解を長期間維持することで、患者様を寛解から回復に導くことができる薬剤であると考えられます。

 

提供 : 株式会社スズケン



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