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<スズケンDIアワー> 平成23年8月4日放送内容より スズケン

乳がん治療薬 エリブリンメシル酸塩


群馬大学臓器病態外科学准教授
堀口 淳

国内第Ⅱ相試験

 国内第Ⅱ相試験では、アントラサイクリン系およびタキサン系抗がん剤の治療歴を有する進行・再発乳がん81人を対象として、国内第I相試験の推奨用量であるエリブリンメシル酸塩1.4mg/㎡を第1日目と8日目に、2分から5分かけて静脈内投与し、21日を1サイクルとしました。第3者判定による奏効率は21.3%でした。また、奏効が得られた17例の奏効期間の中央値は119日でした。有効性のサブグループ解析では、HER2陰性およびホルモン受容体陽性症例で無増悪生存期間、全生存期間が延長している傾向が認められ、トリプルネガティブ症例では、奏効率、無増悪生存期間が不良な傾向が見られました。また、化学療法歴については、アントラサイクリン系およびタキサン系抗がん剤既治療例において、前治療歴が少ない症例に奏効率および無増悪生存期間が良好な傾向が認められました。
 海外第Ⅲ相試験はアントラサイクリン系およびタキサン系抗がん剤を含む2から5レジメンの化学療法歴を有する進行または再発乳がん患者762人を対象として、エリブリンメシル酸塩と主治医選択治療群に2対1の割合で無作為に割り付けし、主要評価項目として、全生存期間、副次評価項目として、無増悪生存期間、奏効率、奏効期間を比較検討しました。

全生存期間

 エリブリンメシル酸塩には508人、主治医選択治療群には254人が割り付けられ、主治医選択治療群は化学療法、ホルモン療法または生物学的療法の単剤治療または緩和療法が行われました。主治医選択治療群で使用された主な治療薬は、ビノレルビン(24%)、ゲムシタビン(18.1%)、カペシタビン(17.3%)、パクリタキセル(10.2%)、ドキシルビシン(9.1%)、ドセタキセル(3.9%)でした。全生存期間の中央値(アップデート・データ)はハラヴェン単独群が403日、主治医選択治療群が321日で、ハラヴェン群で有意な生存期間の延長が認められました。また、全奏効率はエリブリンメシル酸塩単独療法群が12.2%、主治医選択治療群が4.7%で、エリブリンメシル酸塩群で有意に高い奏効率が得られました。

骨髄抑制の発現頻度

 副作用は国内第Ⅱ相試験での安全性解析対象症例81人中、全症例に認められ、主なものは、血液毒性では好中球減少98.8%、白血球減少98.8%、リンパ球減少54.3%、ヘモグロビン減少32.1%、非血液毒性では、脱毛58.0%、疲労44.4%、食欲減退43.2%、悪心42.0%、口内炎38.3%、味覚異常33.3%、AST上昇29.6%、ALT上昇27.2%、発熱24.7%、末梢神経障害24.7%でした。骨髄抑制では、Grade 3、4の好中球減少の最低値となる期間の中央値はサイクル数にかかわらず投与開始14日後であり、好中球数はサイクル数にかかわらず、次コース開始までに90%以上が回復し、回復までの中央値は投与開始21日後でした。

 

提供 : 株式会社スズケン



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