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<スズケンDIアワー> 平成23年8月4日放送内容より スズケン

乳がん治療薬 エリブリンメシル酸塩


群馬大学臓器病態外科学准教授
堀口 淳

icon 投与上の留意点

投与スケジュール

 エリブリンメシル酸塩投与においては血液検査を行い、好中球数1,000/mm3以上かつ血小板数75,000/mm3以上を確認してから投与する必要があります。また、国内臨床試験では各サイクルの1週目の投与開始基準を好中球数1,500/㎜3以上かつ血小板10万/mm3以上としていたため、これらの基準を下回る日本人での使用経験はなく、日本人では各サイクル1週目の投与開始は、好中球数1,500/mm3以上かつ血小板10万/mm3以上を確認することが勧められます。また、肝機能障害は国内第II相試験では6.2%、海外第II、III相試験では1.3%に認められました。Grade 4の好中球減少の発現は肝機能低下に伴って高くなる傾向がみられており、肝機能障害のある患者ではエリブリンメシル酸塩を減量して投与し、投与中に肝機能異常が認められた場合には、必要に応じて投与を延期または休薬することが勧められます。

 以上、エリブリンメシル酸塩は複数の治療歴を有する進行・再発乳がんにおいて単剤で全生存期間を有意に延長した薬剤です。また、静脈内投与時間は2から5分と短く、患者および医療従事者の時間的拘束を軽減できます。ただし、骨髄抑制、肝機能障害のある患者には慎重に投与する必要があります。エリブリンメシル酸塩は、手術不能または再発乳がんに対し、新たな治療選択肢の1つとして期待できます。

 

提供 : 株式会社スズケン



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