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<スズケンDIアワー> 平成23年8月18日放送内容より スズケン

新薬の薬価算定根拠(35)


日本大学薬学部薬事管理学 教授
白神 誠

前回の放送以降薬価基準に収載された新医薬品の薬価算定根拠について説明します。


icon メマリー錠の薬価算定根拠

 有効成分は、メマンチン塩酸塩で第一三共の開発です。メマンチン塩酸塩は、NMDA受容体拮抗作用を有し、「中等度及び高度アルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制」を効能・効果とします。薬価算定は、効能・効果などが類似するドネぺジル塩酸塩の製剤であるエーザイのアリセプト錠を比較対照薬に、類似薬効比較方式Tで行われました。


icon レミニール錠、レミニールOD錠、レミニール内用液の薬価算定根拠

 有効成分は、ガランタミン臭化水素酸塩で、ヤンセン ファーマの開発です。ガランタミン臭化水素酸塩は、アセチルコリンエステラーゼ可逆的阻害作用及びニコチン性アセチルコリン受容体アロステリック増強作用を有し、「軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制」を効能・効果とします。薬価算定は、効能・効果などが類似するドネぺジル塩酸塩の製剤であるエーザイのアリセプト錠を比較対照薬に、類似薬効比較方式Tで行われました。なお、内用液だけは外国平均価格の4分の3を下回ることから、引上げが行われました。


icon エディロールカプセルの薬価算定根拠

 有効成分は、エルデカルシトールで、中外製薬の開発です。エルデカルシトールは、骨形成促進作用及び骨吸収抑制作用、ビタミンD作用、骨代謝回転改善作用を有し、「骨粗鬆症」を効能・効果とします。薬価算定は、効能・効果などが類似するアルファカルシドールの製剤である中外製薬のアルファロールカプセルを比較対照薬に類似薬効比較方式Tで行われました。本剤は、原発性骨粗鬆症患者を対象とした1054例の国内第V相臨床試験において、同系統の既存薬に対する非外傷性新規椎体骨折予防効果の優越性が示されたことから有用性加算Uが適用されました。ただし、他系統の骨粗鬆症治療薬との比較は行われておらず、その臨床的位置付けは直接的には検証されていないため、加算率は10%とされました。


icon プラザキサカプセルの薬価算定根拠

 有効成分は、ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩で、日本ベーリンガーインゲルハイムの開発です。ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩は、直接トロンビン阻害作用を有し、「非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制」を効能・効果とします。薬価算定は、原価計算方式で行われました。同様の効能・効果を有するものにワルファリンがありますが、ワルファリンは、薬価算定上の新薬に該当しないなど、総合的にみて類似の効能・効果、薬理作用をもつ比較対照薬はないと判断されたものです。本剤は、直接トロンビン阻害作用を有する初めての経口投与可能な薬剤であり、血液凝固能のモニタリングが不要となるなど、ワルファリンと比べて一定の有用性を有することが認められました。しかし、第V相国際共同試験における日本人の組み入れ割合が、患者数×年数の比率で約1.2%と限られているため、営業利益率については、平均的な営業利益率への20%の加算、すなわち23%とされました。

 

提供 : 株式会社スズケン



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