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<スズケンDIアワー> 平成23年8月18日放送内容より スズケン

新薬の薬価算定根拠(35)


日本大学薬学部薬事管理学 教授
白神 誠

icon フェブリク錠の薬価算定根拠

 有効成分は、フェブキソスタットで帝人ファーマの開発です。フェブキソスタットは、酸化型還元型キサンチンオキシダーゼ阻害作用を有し、「痛風、高尿酸血症」を効能・効果とします。薬価算定は、原価計算方式で行われました。類似の効能・効果及び薬理作用並びに同一の投与経路を有するものにアロプリノールがありますが、アロプリノールは、薬価基準収載後10年以上経過し、後発品も薬価収載されているなど、総合的にみて類似の効能・効果、薬理作用をもつ比較対照薬はないと判断されたものです。アロプリノールでは、使用にあたり腎機能障害のある患者では減量を考慮することとされているのに対し、本剤は中等度までの腎機能低下患者において用量調節を行わずに投与できるという点においては、一定程度の革新性が期待できると判断され、営業利益率については、平均的な営業利益率への10%の加算、すなわち21.1%とされました。


icon シュアポスト錠の薬価算定根拠

 有効成分は、レパグリニドで大日本住友製薬の開発です。レパグリニドは、膵β細胞刺激による短時間速効型のインスリン分泌促進作用を有し、「食事療法・運動療法のみ、あるいは食事療法・運動療法に加えてα-グルコシダーゼ阻害剤を使用しても十分な効果が得られない2型糖尿病における食後血糖推移の改善」を効能・効果とします。薬価算定は、効能・効果などが類似するナテグリニドの製剤である味の素製薬のファスティック錠及びアステラス製薬のスターシス錠を比較対照薬に類似薬効比較方式Tで行われました。本剤は、国内第V相実薬対照比較試験において、ナテグリニドと比較し、主要評価項目であるHbA1cの変化量について有意な改善を示したことから有用性加算Uが適用されました。ただし、既存品と薬理作用が類似しており、同系統の薬剤は既に2成分存在するため、加算率は5%とされました。


icon ソニアス配合錠の薬価算定根拠

 有効成分はピオグリタゾン塩酸塩とグリメピリドの配合剤で、武田薬品工業の開発です。ピオグリタゾン塩酸塩は、インスリン抵抗性改善作用を、またグリメピリドはインスリン分泌作用を有し「ピオグリタゾン塩酸塩及びグリメピリドの併用による治療が適切と判断される場合の2型糖尿病」を効能・効果とします。薬価算定は、内用配合剤の薬価算定の特例ルールに従い行われ、具体的には、自社品のあるピオグリタゾン塩酸塩の部分については単味製剤アクトス錠の0.8倍の薬価に、自社品がないグリメピリドの部分については、後発品のうち最も安い価格と他社先発品の0.8倍の価格を比較した上で、より安い後発品の最低価格が採用されましたが、合計した薬価がアクトス錠の薬価を下回ったことから、アクトス錠と同額が薬価とされました。


icon アクレフ口腔粘膜吸収剤の薬価算定根拠

 有効成分は、フェンタニルクエン酸塩で、田辺三菱製薬の開発です。フェンタニルクエン酸塩は、求心性痛覚伝導路抑制作用及び下行性痛覚抑制系の賦活による鎮痛作用を有し、「強オピオイド鎮痛剤を定時投与中の癌患者における突出痛の鎮痛」を効能・効果とします。薬価算定は、原価計算方式で行われました。既存のレスキュー製剤には、モルヒネ及びオキシコドンがあり、また既存のフェンタニル製剤に貼付剤及び注射剤がありますが、臨床的位置付け等が異なっているなど、総合的にみて類似の効能・効果、薬理作用をもつ比較対照薬はないと判断されたものです。営業利益率については、平均的な営業利益率19.2%が適用されました。


icon アリクストラ皮下注の薬価算定根拠

 有効成分は、フォンダパリヌクスナトリウムで、グラクソ・スミスクラインの開発です。フォンダパリヌクスナトリウムは、血液凝固阻止作用を有し、「急性肺血栓塞栓症及び急性深部静脈血栓症の治療」を効能・効果とします。薬価算定は、含量の異なる同一成分の既収載品があることから、規格間調整により行われました。

 

提供 : 株式会社スズケン



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