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<スズケンDIアワー> 平成23年8月18日放送内容より スズケン

新薬の薬価算定根拠(35)


日本大学薬学部薬事管理学 教授
白神 誠

icon ロミプレート皮下注の薬価算定根拠

 有効成分は、遺伝子組換えのロミプロスチムで、協和発酵キリンの開発です。ロミプロスチムは、トロンボポエチン受容体刺激作用を有し、「慢性特発性血小板減少性紫斑病」を効能・効果とします。薬価算定は、原価計算方式で行われました。類似の効能・効果を持つものにエルトロンボパク オラミンがありますが、エルトロンボパク オラミンとは、化学構造、投与経路が異なっているなど、総合的にみて類似の効能・効果、薬理作用をもつ比較対照薬はないと判断されたものです。営業利益率については、平均的な営業利益率19.2%が適用されました。


icon ステラーラ皮下注シリンジの薬価算定根拠

 有効成分は、遺伝子組換えのウステキヌマブで、ヤンセン ファーマの開発です。ウステキヌマブは、ヒトインターロイキン-12及びインターロイキン-23のp40サブユニット阻害作用を有し、「既存治療で効果不十分な尋常性乾癬及び関節症性乾癬」を効能・効果とします。薬価算定は、効能・効果等が類似する遺伝子組換えのアダリムマブの製剤であるアボット ジャパンのヒュミラ皮下注シリンジを比較対照薬に類似薬効比較方式Tで行われました。


icon ビダーザ注射用の薬価算定根拠

 有効成分は、アザシチジンで日本新薬の開発です。アザシチジンは、RNAへの取り込みによる殺細胞作用に基づくタンパク質合成阻害作用を有し、「骨髄異形成症候群」を効能・効果とします。薬価算定は、原価計算方式で行われました。類似する効能・効果を有するものにシタラビンオクホスファート水和物及びレナリドミド水和物がありますが、これらとは、投与経路が異なっているなど、総合的にみて類似の効能・効果、薬理作用を持つ比較対照薬はないと判断されたものです。本剤は、海外第V相試験において、通常治療群と比較して有意な生存期間の延長が認められ、国内外の治療ガイドラインにおいて骨髄異形成症候群の高リスク患者に対する第一選択薬として位置付けられていること、国内第T/U相試験において血液学的改善効果が認められ、国内外の治療ガイドラインにおいて低リスク患者に対する第一又は第二選択薬として位置付けられていることから、本邦において高リスク及び低リスク患者に対する有用性があると判断された初めての医薬品です。しかし、本邦における本剤の有効性及び安全性の情報は限られていることため、営業利益率については、平均営業利益率への20%の加算、すなわち23.0%とされました。


icon オルベスコインヘラ−の薬価算定根拠

 有効成分は、シクレソニドで、帝人ファーマの開発です。シクレソニドは、抗炎症作用を有し、「気管支喘息」を効能・効果とします。同一成分、同一効能の既収載品に小児の効能追加を行い、それに伴い小児用の規格を追加したものです。したがって、薬価算定は、規格間調整により行われました。小児加算が適用されましたが、小児の効能を取得している類薬が複数あることから、加算率は10%とされました。

以上の13成分31品目は、平成23年3月2日の中医協総会で審議され、3月11日に薬価基準に収載されました。

 

提供 : 株式会社スズケン



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