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<スズケンDIアワー> 平成23年8月25日放送内容より スズケン

添付文書の中の副作用(28)電解質酸塩基平衡異常 その3


帝京大学名誉教授
清水 直容

icon カルシウム血症について

 まず、高カルシウム血症についてお話しします。

高Ca血症

 症状としては、消化器症状及びだるい、筋肉が痛い、尿が多い、物忘れが多い、頭痛などです。
 徴候しては、胃酸分泌の増加、膵炎、石灰沈着が見られる、腱反射が低下する、腎不全、血圧が上昇し不整脈が見られる、視力障害、さらに重症になると昏睡が起こります。
 検査値は、カルシウムの基準値は8.5r/dLから10.4r/dLですので、このカルシウム値が10.4r/dL以上であるものは高カルシウム血症です。 医薬品では、334品目に記載がありますが、重大な副作用欄には78品目あります。
 カルシウム調節ホルモン関連も多くあり、例えば、抗エストロゲン剤タモキシフェン(乳がん治療薬;商品名アドバン)には重大な副作用欄に0.1%未満として、また成長ホルモンのソマトロピン、免疫抑制剤のアムホテリシンにも高カルシウム血症の記載があります。 低カルシウム血症に移ります。

低Ca血症の原因疾患

 症状は、やはり神経・筋が多くて、興奮症状、皮膚が乾く、毛が抜ける、手足がぴりぴりする、人差し指が伸びる、吐き気、吐く、下痢などです。
 徴候としては、トゥルソウ徴候やクボステック徴候がありますが、これは後ほどマグネシウムのときにご説明します。精神神経学的症候として、不穏で興奮、幻覚、全身けいれん、それにこの場合も心電図異常が書かれています。
 検査値では、8.5r/dL以下が低カルシウム血症の検査値です。酸・塩基平衡の検査値も必要で、アルカローシスではテタニーを生じやすいのであります。
 医薬品には768品目に記載がありますが、重大な欄に記載は69品目で、例えばエルカトニン、カルシトニンなど(これは当然、薬理学的な解釈が可能です)、これらのほかに強心・利尿薬であるキサンチン系のアミノフィリン、テオフィリンには有害事象名として記載がありますし、免疫抑制剤(例えば効能:アトピーや関節リウマチ)のタクロリムスにも記載があります。

icon リン血症について

 リンに移らせていただきます。

腎臓よりのP

 まず、高リン血症ですが、症状としては目まい、筋肉の痛み、だるい、しびれなどがあります。
 徴候は、細胞の崩壊、溶血、横紋筋壊死が認められます。
 リンの基準値は2.5r/dLから4.5r/dLですが、血清カルシウム値は8.5r/dL以下が多いです。4.5r/dLは基準値の上ではありますが、実際に高リン血症5r/dL以上を検査の値としていいます。
 医薬品は87品目の記載がありますが、重大な欄には記載はありません。
 続いて、低リン血症ですが、症状としては、不安が上昇する、力が抜けた、ご飯がおいしくない、吐き気がする、手が震えるなどです。
 徴候は、中枢神経関連、運動失調、知覚異常、昏睡、心筋、心電図異常、貧血、血小板減少などがあります。
 リンの値というのは日内変動があり、早朝は低くて夕方は上昇します。
 医薬品には484品目に記載があります。重大な欄は1品目だけで、カルシウム塩剤の抗結核薬、アルミノニッパス・カルシウムに記載がありますが頻度は不明です。

 

提供 : 株式会社スズケン



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