<スズケンDIアワー> 平成23年9月15日放送内容より |
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NTT東日本関東病院 薬剤部長
折井 孝男
小児用肺炎球菌ワクチン,ヘモフィルスインフルエンザ菌b型ワクチン(以下ヒブワクチン)、及び子宮頸がん予防ヒトパピローマウイルスワクチンの3つのワクチンについては、平成22年11月からワクチン接種緊急促進事業が開始されています。この事業でのワクチン接種後の副反応については、「ワクチン接種緊急促進事業実施要領」に基づき、因果関係を問わず厚生労働省に報告することとされています。
死亡症例の評価については、平成23年3月2日から3月24日までに小児用肺炎球菌ワクチン,ヒブワクチンを含むワクチン同時接種後の乳幼児において7例の死亡例が報告されました。死亡とワクチン接種との因果関係を評価するために、解剖所見,カルテ等から疾病の経過や基礎疾患の重篤度等について詳細な情報を入手し、3月8日及び3月24日に開催した合同会議でこれらについて評価を行っています。その結果、7例は0歳から2歳代の乳幼児で、基礎疾患を有するものが3例、基礎疾患が明確でないものが4例でした。接種から死亡までの期間は、翌日死亡が3例、2日後死亡が1例、3日後死亡が2例、7日後死亡が1例でした。 海外における死亡報告の状況として、小児用肺炎球菌ワクチンについては、平成17年8月から平成22年5月までに製造販売業者が収集したデータによれば、海外における小児用肺炎球菌ワクチン接種後の死亡報告は166例でした。国別での10万接種あたりの死亡頻度をみると、死亡頻度の高い順に、オランダ(0.6),ドイツ(0.5),スイス(0.4)でした。
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提供 : 株式会社スズケン | ||||
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