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<スズケンDIアワー> 平成23年9月15日放送内容より スズケン

医薬品・医療機器等安全性情報−最近の話題(25)小児用肺炎球菌ワクチン、ヒブワクチンの安全対策について


NTT東日本関東病院 薬剤部長
折井 孝男

icon はじめに

 小児用肺炎球菌ワクチン,ヘモフィルスインフルエンザ菌b型ワクチン(以下ヒブワクチン)、及び子宮頸がん予防ヒトパピローマウイルスワクチンの3つのワクチンについては、平成22年11月からワクチン接種緊急促進事業が開始されています。この事業でのワクチン接種後の副反応については、「ワクチン接種緊急促進事業実施要領」に基づき、因果関係を問わず厚生労働省に報告することとされています。
 平成23年3月2日から3月4日までの間に、本事業の対象とされる小児用肺炎球菌ワクチンとヒブワクチンを含む複数のワクチン同時接種後の乳幼児の死亡例が4例報告されました。このことから、3月4日に小児用肺炎球菌ワクチン及びヒブワクチンの接種を一時的に見合わせました。
 3月4日以降に報告された死亡例も含め、3月8日及び3月24日に、薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会及び子宮頸がん等ワクチン予防接種後副反応検討会を合同で開催し(以下「合同会議」)、ワクチン接種と死亡との因果関係の評価,同時接種時の安全性等について検討を行い、3月24日に評価結果をとりまとめ、4月1日より接種を再開しました。ここでは、接種再開に至る検討状況,安全対策の内容について紹介します。

icon ワクチン同時接種後の乳幼児死亡症例の検討

死亡症例の概要

 死亡症例の評価については、平成23年3月2日から3月24日までに小児用肺炎球菌ワクチン,ヒブワクチンを含むワクチン同時接種後の乳幼児において7例の死亡例が報告されました。死亡とワクチン接種との因果関係を評価するために、解剖所見,カルテ等から疾病の経過や基礎疾患の重篤度等について詳細な情報を入手し、3月8日及び3月24日に開催した合同会議でこれらについて評価を行っています。その結果、7例は0歳から2歳代の乳幼児で、基礎疾患を有するものが3例、基礎疾患が明確でないものが4例でした。接種から死亡までの期間は、翌日死亡が3例、2日後死亡が1例、3日後死亡が2例、7日後死亡が1例でした。
 現在得られている各症例の経過や所見に基づいて評価した結果では、報告された7例については、いずれもワクチン接種との直接的な明確な因果関係は認められないと考えられました。
 諸外国の状況と国内状況との比較については、米国では、小児用肺炎球菌ワクチンの販売後2年間で3150万回分の接種が行われ、4154例の有害事象が報告されています。そのうち117例が死亡例であり、死亡報告の頻度は10万接種あたり0.37でした。117例の死亡例のうち73例(62.4%)で死因は不明とされており、うち59例が乳幼児突然死症候群(SIDS)又はその疑いと診断されました。死因の特定された44例のうち22例は感染症、13例が先天異常等の出生時状態によるもの8例が痙攣等とされています。

小児用肺炎球菌ワクチン接種後の死亡報告状況

 海外における死亡報告の状況として、小児用肺炎球菌ワクチンについては、平成17年8月から平成22年5月までに製造販売業者が収集したデータによれば、海外における小児用肺炎球菌ワクチン接種後の死亡報告は166例でした。国別での10万接種あたりの死亡頻度をみると、死亡頻度の高い順に、オランダ(0.6),ドイツ(0.5),スイス(0.4)でした。

 

提供 : 株式会社スズケン



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