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<スズケンDIアワー> 平成23年9月22日放送内容より スズケン

DPP-4阻害糖尿病治療薬 リナグリプチン


順天堂大学大学院代謝内分泌内科学教授
綿田 裕孝

icon リナグリプチンの特徴

リナグリプチンの化学構造

 まず有効成分の化学構造に関してですが、リナグリプチンは、他のDPP-4阻害薬とは異なりキサンチン骨格を有します。このユニークな構造から、DPP-4受容体の活性部位に強力に結合すると考えられています。
 リナグリプチン5mgを投与した2型糖尿患者さんでの血中DPP-4阻害率を見たデータでは、リナグリプチン投与後、血中DPP-4阻害率は最大90%以上の値を示しており、その作用は24時間安定して持続しています。 また、食後の血中活性型GLP-1濃度は、投与前に比べ約3倍以上に増加しており、リナグリプチンがDPP-4を阻害することによって、活性型GLP-1濃度が高めています。
 次に、2型糖尿病患者に対するリナグリプチンの血糖降下作用について国内第3相試験の結果をご紹介します。
 国内第3相試験は、プラセボ群,リナグリプチン5mg群,リナグリプチン10mg群,およびボグリボース群の計4群で実施しました。 患者背景に各群で違いはみられておりません。本試験ではリナグリプチン5mg群,10mg群を検討しましたが,有効性,安全性の結果からリナグリプチン5mgのみで申請し,承認を得ています。 そのため,これからご紹介する有効性データは,リナグリプチン5mgを中心に行ないます。

HbA1c値変化量

 投与12週後のHbA1cの調整平均変化量は,リナグリプチン群とプラセボ群との差は0.9%であり、リナグリプチン群はプラセボ群に比べて,HbA1cの有意な低下が認められました。
 さらに、リナグリプチンを投与した患者さんを、ベースラインのHbA1cで,JDS値7.6%未満と7.6%以上の2群に分けて比較したところ、7.6%以上の群では,1.1%低下し,リナグリプチンの有効性は,コントロール不良な患者においてより優れていました。

26週投与後のHbA1c値の推移と変化量

 次にボグリボースとの比較ですが、投与26週後のHbA1cの調整平均変化量は,リナグリプチン群とボグリボーズ群との差は0.3%で,リナグリプチン群はボグリボーズ群に比べて,HbA1cの有意な低下が認められました。
 国際共同試験での日本人患者が参加した4試験を含んだリナグリプチンの安全性は、720例中86例に臨床検査値の異常を含む副作用が認められました。 主な副作用は便秘、鼓腸、腹部膨満等でした。 また、低血糖症の発現率は0.7%でした。また52週間患者さんの体重の変化を観察したところ、リナグリプチンは患者さんの体重を増加させないことが示されました。

 

提供 : 株式会社スズケン



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