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<スズケンDIアワー> 平成23年9月29日放送内容より スズケン

25周年を迎えた日本中毒情報センター


日本中毒情報センター理事長
吉岡 敏治

icon 日本中毒情報センターの事業内容

 財団法人日本中毒情報センターは、日本救急医学会が中心となり、約10年間におよぶ設立準備期間を経て、厚生省健康政策局指導課所管の財団法人として1986年に設立されました。
 わが国では、当時、救命救急センターを中心とした新しい救急医療体制が整備されつつあり、中毒の治療部門の新設は不要とされ、また、分析センターは必要ではありますが、治療と密接に関連したものであり、その設置は救命救急センターとの関連の中で考慮するのが合理的とされました。このような背景から、最小限必要なシステムとして、情報部門のみに特化した日本中毒情報センターが設立されました。
 当財団の設立目的は、「化学物質等の成分によって起こる急性中毒について、広く一般国民に対して啓発や情報提供等を行い、我が国の医療の向上を図ることで、次の6つの事業を実施しております。

 ・中毒の問い合わせに対する回答
 ・中毒情報に関する資料の収集と整備
 ・中毒症例の収集と解析
 ・中毒防止に関する啓発教育活動
 ・中毒に関する教育、研究支援
 ・国内外の毒性情報関連機関との連絡調整

であります。

icon 事業実績について

 これまでの事業実績について、その概要をお話しします。
 中毒の問い合わせに対する回答は、24時間体制で大阪府と茨城県に所在する2ヵ所の中毒110番で薬剤師が行っております。

情報提供の方法

 年間およそ4万件の問い合わせがあり、累積受信件数は設立以来100万件を超えました。市民からの問い合わせが85%、残りの15%は医療機関の医師、薬剤師、行政や消防機関等からです。市民からの問い合わせの多くは、タバコに代表される幼小児の誤飲、誤食で、直ちに医療機関の受診を必要としないものが多く、自宅での経過観察を薦めています。このことは、不要な受診を減らすこととなり、ひいては医療費の削減におおいに寄与しているものと自負しています。

データベースの構成

 中毒情報に関する資料の収集と整備は、厚生労働省からの補助金事業として行ってきました。中毒情報処理検索システムは、情報検索のシステムと症例収集のためのシステムから構成されています。
 情報検索システムは、問い合わせに対応する際に必要な事項を検索するシステムで、私達は中毒情報データベースシステムと呼んでいます。このシステムの中心となる中毒情報データベースは、成分別または用途別にグルーピングして、毒性や中毒症状、その治療法等、中毒診療に必要な医療情報を集約したもので、もうひとつの製品情報データベースは、製造・販売事業者等から収集した個々の製品の成分・組成、性状・外観、用途等を収載した情報で、約4万件を整備しております。この製品情報データベースと先の中毒情報データベースをリンクすることにより、中毒診療に必要な医療情報が簡単に閲覧できるようになっています。治療情報データベースは、中毒の治療に頻用される除染や強制利尿、血液浄化法と、呼吸・循環管理などの対症療法、解毒剤に関する情報からなり、約50項目を整備しています。このようなデータベースからなる情報検索システムは、CD−ROM媒体の「中毒情報データベースシステムVer.16」として医療従事者向けに販売もしております。
 中毒症例の収集・集計のためのシステムは、受付登録データベースと症例データベースからなります。受付登録データベースは、電話問い合わせを受けた全事例の保存と集計を目的として開発され、現在までにおよそ100万件を集積しています。症例データベースには、受付事例のうち医療機関からの問い合わせ症例について追跡調査を行って収集した臨床経過を含めたデータを約3万例について集積しています。

 

提供 : 株式会社スズケン



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