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<スズケンDIアワー> 平成23年10月6日放送内容より スズケン

選択的β3受容体作動過活動膀胱治療薬 ミラベグロン


日本大学泌尿器科学分野教授
髙橋 悟

icon 使用上の留意点

 ミラベグロンの用法・用量は、「通常、成人には50mgを1日1回食後に経口投与」です。中等度の肝機能障害、重度の腎機能障害患者への投与は半量の25mgから開始して下さい。
 なお、ラットを用いた動物実験において、精嚢、前立腺および子宮の重量低値あるいは萎縮等が見られたため、生殖可能な年齢の患者さんへのミラベグロンの投与はできる限り避けるようにしてください。
 ミラベグロンは、心疾患のある患者さんでは処方時に注意が必要です。なぜならば、国内第Ⅱ相試験でミラベグロン投与群で心拍数が毎分2.6回の増加を認めたためです。同様に第Ⅲ相試験でも毎分2.7回の増加を認めましたが、長期試験では毎分1.0回の増加でした。 したがって、添付文書では、重篤な心疾患を有する患者さんは禁忌として設定されています。
 また海外での試験において、高用量投与によりQT間隔が延長した結果が得られていますので、QT延長症候群患者、重度の徐脈や急性心筋虚血等の不整脈をおこしやすい患者、低カリウム血症のある患者さんへの投与は慎重に行ってください。 投与した場合は、心電図検査を定期的に実施するなどのフォローアップが必要でしょう。
 ミラベグロンは一部が薬物代謝酵素CYP3A4により代謝され、CYP2D6、P-糖タンパク阻害作用を有します。そのため、これら により代謝される薬物との相互作用に注意する必要があります。その中でも、不整脈薬のフレカイニド、プロパフェノンとの併用はミラベグロンのCYP2D6阻害作用により、これらの薬剤の血中濃度を上昇させ、QT延長、心室性不整脈等を起こすおそれがあるので、併用禁忌となっています。また、OABという病態から、抗コリン薬、5α還元酵素阻害薬との併用が期待されるところですが、併用時の安全性及び臨床効果が確認されていないため、これらの薬剤との併用は避けることが望ましいとされています。


以上のように、ミラベグロンは、優れた有効性を有し、抗コリン薬でみられる副作用が少ないことから「OAB治療の新しい選択肢」として、たいへん期待される薬剤です。ミラベグロンは国内で開発され、世界に先駆けて日本で発売されました。 先生方におかれましては、ミラベグロンを適正にご使用頂き、OAB患者さんのQOL向上にお役立て下さいますよう、お願い致します。

 

提供 : 株式会社スズケン



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