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<スズケンDIアワー> 平成23年10月13日放送内容より スズケン

話題の新薬2011-(2)


獨協医科大学 名誉学長
原田 尚

icon 多発性骨髄腫治療薬;レナリドミド水和物

レナリドミド水和物の構造式

 サイトカイン酸性調節作用及び造血器腫瘍細胞の増殖抑制作用などによって、抗悪性腫瘍効果が示されると想定されています。
 英国における再発または難治性多発性骨髄腫患者に対する臨床治験が実施され、有効性と安全性が確立しました。2006年米国で、2007年欧州で、さらに2010年我が国において承認されました。適用は再発または難治性の多発性骨髄腫です。
 デキサメタゾンとの併用において、1日1回25㎎を21日間経口投与し、その後1週間休薬します。これを1クールとして繰り返します。ただし、本薬の化学構造がサリドマイドに類似していて、催奇性が危惧されることから、患者に対する丁寧なインフォームドコンセント及び投与全症例の報告などの条件がついています。
 副作用は92%に見られ、好中球の減少症などであり、重大な副作用としては深部静脈血栓症などの見られることがあります。


icon 抗悪性腫瘍薬;テムシロリムス

テムシロリムスの構造式

 本薬はがん細胞の増殖を調節するキネーゼである哺乳類のラパマイシン標的たんぱく質の阻害薬です。効能は根治切除不能または転移性の腎細胞がんです。
 1週間に1回、25㎎を30-60分かけて点滴静注します。この薬についても、全例報告というただし書きがついています。副作用は99%に見られ、発疹、口内炎などであり、重大な副作用としては間質性の肺疾患などの見られることがあります。


icon がん疼痛治療薬;トラマドール塩酸塩

トラマドール塩酸塩の構造式

 最後に、がん疼痛治療薬、トラマドール塩酸塩についてお話しします。
 この薬は、オピオイド作用及びモノアミン増強作用などにより鎮痛効果を示す非麻薬指定の中枢性の鎮痛薬でます。初めは注射薬として開発されましたが、より利便性を考えて経口薬として発売されました。
 効能は軽度から中等度の疼痛を伴う各種のがん疾患における鎮痛です。
 1日100-300㎎を4回に分割し、経口投与します。副作用は68%に見られ、便秘、悪心、嘔吐などであり、重大な副作用としては、アナフィラキシー様症状などの見られることがあります。

 

提供 : 株式会社スズケン



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