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<スズケンDIアワー> 平成23年10月27日放送内容より スズケン

TNF阻害関節リウマチ治療薬 ゴリムマブ(遺伝子組換え)


慶應義塾大学リウマチ内科講師
亀田 秀人

icon ゴリムマブの特徴

 こうした状況の中、2011年7月に日本でもゴリムマブ(商品名;シンポニー)が関節リウマチの新たな治療薬として承認されました。この製剤は生物学的製剤として我が国で6剤目となりますが、代表的な炎症性サイトカインの1つである、腫瘍壊死因子、TNFを標的とした生物学的製剤としては4番目、そのうち抗TNFモノクローナル抗体製剤としては2003年のインフリキシマブ、2008年のアダリムマブに次いで3剤目となります。

特徴

 これら既存の製剤とゴリムマブの特徴を比較しますと、インフリキシマブはマウス由来のアミノ酸配列を約25%有するキメラ型の抗体製剤で、このキメラ部分に対する患者さんの体内での抗体産生を制御するために、免疫抑制薬でもある抗リウマチ薬、メトトレキサートの併用が必須です。しかもインフリキシマブは点滴静注製剤です。一方、アダリムマブと新しいゴリムマブは完全ヒト抗体であり、いずれも皮下注射製剤ですので、ゴリムマブはアダリムマブに最も良く似ていると言えます。効能・効果においても、少なくとも1剤の抗リウマチ薬などによる適切な治療を行っても関節リウマチに起因する明らかな症状が残る場合、と、アダリムマブと同様です。また、メトトレキサートの併用、非併用のいずれの投与も可能である点も変わりありません。
 しかし、用法と用量が異なっています。いずれも血中半減期は2週間前後ですが、アダリムマブがその2週間毎、すなわち隔週の投与であるのに対して、ゴリムマブは4週毎、すなわち月1回の投与です。投与量は、アダリムマブがメトトレキサート併用では、1回に40 mgの投与に限定されているのに対して、ゴリムマブは50 mgまたは100 mgで、患者さんの状態に応じて選択出来るようになっています。一方、メトトレキサートを併用しない場合には、アダリムマブが40 mgから開始して、状況に応じて80 mgに増量可能となっていますが、ゴリムマブでは100 mgのみの投与となっています。すなわち、ゴリムマブは投与間隔が長い分、1回の用量が多めに設定されていると言えます。その他、工夫された特徴として、皮下注射時の疼痛が少ないこと、そして、この製剤に対する中和抗体の産生が、国内試験のメトトレキサート併用で0%、非併用でも4%と、少なかったことが挙げられます。

icon 作用機序について

作用機序

 作用機序としては、サイトカインとしての可溶性TNF、および膜結合型TNFの双方に結合してTNFの生物学的活性を中和します。TNFに対する結合親和性が高いので、すでに受容体に結合しているTNFの解離を促進します。さらに、膜結合型TNFを発現している細胞に対しては、ナチュラルキラー細胞や補体の助けを借りた細胞傷害性を発揮し、さらに、膜結合型TNFを発現している細胞の活性を低下させるシグナルを伝達することも知られています。このように、ゴリムマブは抗TNFモノクローナル抗体製剤としての既存の作用特徴は全て有しています。

 

提供 : 株式会社スズケン



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