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<スズケンDIアワー> 平成23年11月3日放送内容より スズケン

経口弱毒生ヒトロタウイルスワクチン


新潟大学病院小児科特任助教
大石 智洋

icon ロタウイルス感染症の疫学

 ここ数年、日本において、子宮頚がんワクチン、小児肺炎球菌ワクチン、ヒブワクチンなど様々なワクチンが導入されましたが、先日、新たにロタウイルスに対するワクチンが承認されました。そこで、まずはロタウイルス感染症について、疫学を中心にお話しします。
 ロタウイルスは、急性胃腸炎を起こす重要なウイルスで、下痢を起こす原因となる病原体のおよそ4割をロタウイルスが占めると報告されております。日本のような先進国では患者は2歳未満の子どもに多く、特に生後6〜11ヵ月にピークがみられます。日本国内における疫学データは少ないのですが、あるデータでは、日本における死亡者数は年間10人未満ですが、年間の入院者数は78000人、この数字は実に5歳未満の子の15人に1人が入院する計算となり、医療機関受診者数に至っては、およそその10倍とされているので、いかに多くの子どもが罹患し、かつ医療機関を受診しているかがお分かりになるかと思います。
 また、世界では日本のように医療事情が発達している国ばかりではないので、ロタウイルスワクチンが導入される以前のデータでは、世界中で年間50万人以上の子どもがロタウイルス感染により死亡していたとされております。世界中でこれほど多くのこどもが命を奪われていたということは、ロタウイルス感染症は、治療が遅れたら重症化することを裏付けるデータでもあります。
 日本におけるロタウイルス感染症が重症化する例としては、胃腸炎による重篤な脱水のほか、ロタウイルスによる脳症があげられます。

小児の急性脳炎・脳症の病因

 小児の脳症として、インフルエンザによる脳症は多くの先生が御存知でしょうが、原因となる微生物が判明している小児の脳炎・脳症のうち、最も多いのはインフルエンザですが、ロタウイルスによる脳症は3番目に多いとされ、特に後遺症を起こす確率が38%と高率であります。

 

提供 : 株式会社スズケン



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