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<スズケンDIアワー> 平成23年11月10日放送内容より スズケン

COPD治療用吸入剤 インダカテロールマレイン酸塩


千葉大学大学院呼吸器内科教授
巽 浩一郎

 本日は慢性閉塞性肺疾患、COPDの治療用吸入剤として新しく発売されたインダカテロールの位置付けに関してお話致します。

icon インダカテロールの概要

 インダカテロールは長時間作用性吸入β2刺激薬であり、略してLABAと呼ばれる薬剤の一つです。 インダカテロールは気道のβ2受容体に結合して細胞内のセカンドメッセンジャーであるcAMPを増加させ、気道平滑筋を弛緩させることにより気管支拡張をもたらす薬剤です。

インダカテロールマレイン酸塩

 インダカテロールの特徴は、その化学構造式で裏打ちされています。 短時間作用性吸入β2刺激薬、略してSABAと呼ばれている薬の中で、気管支拡張効果が強力な薬剤はプロカテロール(商品名;メプチン)です。 インダカテロールは、そのプロカテロールの活性部位であるカルボスチリル骨格を有しています。さらに、細胞膜の脂肪鎖と総合作用を持ち、細胞膜のリン脂質に親和性の高いインダン骨格を有しており、これが長時間作用と関係しています。
 慢性安定期COPDの管理では、気管支拡張療法がその基盤となります。 長時間作用性抗コリン薬、または長時間作用性β2刺激薬が第一選択になります。 一般的にCOPDに対しては、抗コリン薬の方がβ2刺激薬よりも気管支拡張効果が強い場合が多いので、長時間作用性抗コリン薬が第一選択とされています。 その次に、両薬剤の併用、さらにテオフィリン薬の追加が考慮されます。 さらに、必要に応じてSABAが使用されます。

COPDの薬物療法

 COPD薬物療法の主は気管支拡張を目標としています。 平滑筋を弛緩させて、気管支を拡張させようというものです。 抗コリン薬、β2刺激薬、テオフィリン薬のすべてが細胞内の作用機序は異なりますが、平滑筋収縮の解除を目指しています。 この中でインダカテロールを含むβ2刺激薬は細胞内cAMPを増加させます。

icon インダカテロールの特性

 インダカテロールの特性は5つ挙げられます。 気管支拡張効果に関して持続性の効果がある上に、速やかな効果発現があります。 その結果、呼吸機能、息切れ・QOLを改善します。 またオンブレス ブリーズヘラーという、見る、聞く、感じるというコンセプトの吸入デバイスを使用しています。 重要なことは、安全性は高そうであることです。

インダカテロールには即効性がある

 インダカテロールPhase II臨床試験の結果では、その気管支拡張効果に関して、100, 200, 400μgで多少の投与量依存性はあるが、どの投与量でも5分くらいで効果があり、即効性があることが示されています。 なお、日本での臨床用量は150μgになり、十分な効果が期待できそうです。

 

提供 : 株式会社スズケン



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