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<スズケンDIアワー> 平成23年11月10日放送内容より スズケン

COPD治療用吸入剤 インダカテロールマレイン酸塩


千葉大学大学院呼吸器内科教授
巽 浩一郎

icon INHANCE study から

 2010年の米国呼吸器学会誌に掲載されたINHANCE study論文を中心に紹介します。INHANCE studyは、最初の2週間でインダカテロールの投与量および、その対称薬としてチオトロピウムかフォルメテロールかを選択しています。 フォルメテロールは日本では単剤としては発売されていませんが、効果の強いβ2刺激薬として、ブデソニド/フォルモテロールの合剤であるシムビコート配合剤の中に含まれています。 結果としては、インダカテロール150と300μgが選択され、対称薬としてチオトロピウムが選択されています。 そして約6ヶ月の継続投与による効果が検討されています。

インダカテロール 75μg以上

 最初の2週間の用量設定期間の結果です。 一般的にCOPD治療薬としての気管支拡張効果の最低臨床有効効果は、一秒量で100mLの改善とされています。このINHANCE studyでは、有効性の基準として、それを上回る120mLの改善が設定されています。 さらにプラセボと比較して、チオトロピウム、フォルメテロール、絶対値で120mLの中で最も高い値を超える場合に有効と判断しています。 トラフ一秒量とは、薬剤投与後24時間後の、すなわち気管支拡張効果がかなり消失すると推定される時点での一秒量のことです。 プラセボとの差が、インダカテロール75μg以上で、あらかじめ設定した有効性を超えており、一秒量で150mL以上の改善は期待できそうな結果です。

インダカテロール 150μg

 本研究では、有効性の判断としてさらに、一秒量AUC(Area of under concentration)が、チオトロピウム、フォルメテロールで高い方の値を超えるという基準を設定しており、この基準を超えた量が、インダカテロール150μgであり、投与量として150と300μgが設定されています。

インダカテロール 3ヶ月投与後 呼吸機能の改善

 COPDは高齢になるほど、その罹患率が増加します。 しかし、気管支拡張薬による治療効果は、高齢者になるほど低下する可能性も考えられます。 そこで、INHANCE studyではインダカテロール投与3ヶ月後の検討を行っています。 インダカテロールもチオトロピウムも、65歳以上の高齢者で多少気管支拡張効果は落ちるようですが、年齢による有意差は認めておりません。 プラセボとの差として、トラフ一秒量の値で、インダカテロールは150μgで十分に、150mL以上の気管支拡張効果を得ており、臨床的に有意な改善といえます。 また、チオトロピウムとの非劣勢検討でも、有意差は見られず、チオトロピウムと同等の気管支拡張効果を有することが示されました。
 一般に喫煙の継続は気道炎症を助長あるいは遷延化することが知られています。 そのため、喫煙者では非喫煙者と比較して同じ気管支拡張薬を使用しても、その効果は落ちるとされています。 プラセボとの差として、トラフ一秒量の値で、インダカテロールは150μgで十分に、120mL以上の気管支拡張効果を得ており、臨床的に有意な改善といえます。 また、チオトロピウムとの非劣勢検討でも、有意差は見られず、チオトロピウムと同等の気管支拡張効果を有することが示されました。

インダカテロール 3ヶ月投与後 呼吸機能の改善

 COPDにおける吸入ステロイド薬の投与は、特に重症例では増悪の抑制効果があるとされています。 INHANCE studyでも、吸入ステロイド薬を使用している患者と使用していない患者がいました。 しかし結果としては、吸入ステロイド使用の有無に関わらず、インダカテロールは150μgで十分に、120mL以上の気管支拡張効果を得ており、臨床的に有意な改善が得られています。

インダカテロール 6ヶ月投与後 気管支拡張作用

 インダカテロール6ヶ月投与後の一日における一秒量の経時的変化ですが、投与後2時間で効果のピークが得られ、その効果は24時間続いています。 継続投与しても、しっかりとした気管支拡張効果が得られ、その程度はチオトロピウムと比較して非劣勢である、すなわち同等であることが示されています。

インダカテロールは労作時息切れ改善

 臨床的に有意な気管支拡張効果が得られれば、その結果として労作時息切れの程度の改善、ひいてはQOLの改善が得られるはずです。 Transition dyspnea indexは1ポイント以上改善すれば、臨床的には有意な息切れの改善とされています。 インダカテロールは投与1ヶ月目から息切れ改善効果が認められ、その効果は投与中継続しており、6ヶ月目でも効果が見られています。 また、その効果はチオトロピウムと同等でした。

 

提供 : 株式会社スズケン



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