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<スズケンDIアワー> 平成23年11月17日放送内容より スズケン

新薬の薬価算定根拠(36)


日本大学薬学部薬事管理学 教授
白神 誠

前回の放送以降薬価基準に収載された新医薬品の薬価算定根拠について説明します。


icon トラムセット配合錠

 有効成分は、トラマドール塩酸塩とアセトアミノフェンの配合剤でヤンセン・ファーマの開発です。トラムセット配合錠は、中枢神経刺激伝導抑制作用と中枢性痛覚抑制作用を有し、「非オピオイド鎮痛剤で治療困難な非がん性慢性疼痛及び抜歯後の疼痛における鎮痛」を効能・効果とします。薬価算定は、配合成分であるトラマドール塩酸塩の成分である日本新薬のトラマールカプセルとアセトアミノフェンの製剤である昭和薬品化工のカロナール錠を比較対照薬に、類似薬効比較方式Tで行われました。本剤は、既存成分の用量を低減することにより副作用の軽減が期待される一方で、抜歯後疼痛患者を対象とした国内臨床試験において既存成分の単剤投与を上回る鎮痛効果が証明されたことから、有用性加算Uが適用されました。ただし、副作用がより問題となる非がん性慢性疼痛でも、同様に単剤を上回る鎮痛効果等が期待できるものの臨床試験で客観的に証明されていないことから加算率10%と限定的な評価とされました。


icon ミラペックスLA錠

 有効成分は、プラミペキソール塩酸塩水和物で、日本ベーリンガーインゲルハイムの開発です。プラミペキソール塩酸塩水和物は、ドパミンD2受容体刺激作用を有し、「パーキンソン病」を効能・効果とします。薬価算定は、同一成分の既収載品である同じ日本ベーリンガーインゲルハイムのビ・シフロール錠を比較対照薬に規格間調整で行われました。類似薬に比して、投与回数の減少等高い医療上の有用性を有することが客観的に示されていることから、有用性加算U、加算率5%が適用されました。


icon レクサプロ錠

 有効成分はエスシタロプラムシュウ酸塩で、持田製薬の開発です。エスシタロプラムシュウ酸塩は、選択的セロトニン再取込み阻害作用を有し、「うつ病・うつ状態」を効能・効果とします。補正加算のいずれの要件にも該当せず、効能・効果、薬理作用等が類似する内用剤が既に3つ以上あることから、類似薬効比較方式Uで算定が行われました。薬価の算定は、過去6年間に収載された類似薬のうち最も薬価の低かった、セルトラリン塩酸塩の製剤であるファイザーのジェイゾロフト錠の薬価に合わせることとされました。なお、比較薬の1日薬価は国内長期投与試験の実使用量を基に算出されています。

 

提供 : 株式会社スズケン



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