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<スズケンDIアワー> 平成23年12月8日放送内容より スズケン

C型慢性肝炎治療薬 テラプレビル


虎の門病院分院 分院長
熊田 博光

icon 3剤療法の治験成績結果から

日本の治験成績(第Ⅲ相試験) 初回治療例の治験デザイン

 この難治症例に対して新たにテラプレビルを加えた日本での臨床試験が行われました。従来、世界で最も良いと言われているペグインターフェロンとリバビリン併用療法48週間に対し、今回の治療はペグインターフェロンとリバビリンは24週間、テラプレビルは12週間投与のトータル治療です。治療期間は従来の半分です。

3剤併用療法の治療成績の比較

 その結果、今回のペグインターフェロンとリバビリン併用療法を初めて行う人の成績を見ますと、初めてインターフェロンを投与する初回治療例126例では、ペグインターフェロンとリバビリン+テラプレビルの3剤併用では、実に73.4%が治癒しました。一方、従来のペグインターフェロンとリバビリンは49.2%でした。 このように、今回のペグインターフェロン+リバビリン+テラプレビルの治療は、従来の治療よりも治療期間が短く、治療効果は高いことが明らかとなりました。

core70番のアミノ酸変異およびIL28B genotypeからみたSVR率

 Cそこで、先ほど申し上げました人間の遺伝子とウイルスの遺伝子について、この今回のペグインターフェロンとリバビリンとテラプレビルの併用療法ではどうなるかについて検討しました。今回の3剤併用療法では、人間の遺伝子がTTという治りやすい遺伝子を持つ人は、ウイルスの遺伝子の治りやすさにかかわらず、90%以上の人が治癒します。一方、人間の遺伝子が治りにくく、ウイルスの遺伝子が治りにくい人は、21%と今回の治療でも治りにくいことがわかります。いずれにしても、今回の治療で人間の遺伝子が治りやすい人は、3剤併用療法でほとんど治癒すると言えるぐらいの朗報であります。

Peg-IFN+Ribavirin+Telaprevir3者併用療法の全国成績

 次に、過去にインターフェロンやリバビリン併用療法経験者について見ますと、過去の治療で一度でもインターフェロンあるいはリバビリンでウイルスが陰性化した人に、今回の3者併用療法を行うと88.1%の人が治癒しました。今回の成績を見ると、過去にインターフェロン治療によりウイルスが一度でも消えた人は、ぜひこの3剤併用療法の半年の治療を行うべきと考えます。
 一方、最も難治なのは、過去のペグインターフェロンとリバビリン併用療法で全くウイルスが消えなかった人です。C型肝炎の1b型高ウイルス量の中では最も難治症例であります。今回の3剤併用療法を見ますと、やはり治療効果は初回治療または再燃例に比べ最も悪く、34.5%でした。このことから、過去の治療でウイルスが消えたことがあるか、あるいは全く消えなかったかは、今回の治療を行う上で非常に大切な情報となります。

 

提供 : 株式会社スズケン



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