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<スズケンDIアワー> 平成24年1月19日放送内容より スズケン

骨粗鬆症治療用ヒト副甲状腺ホルモン製剤 テリパラチド酢酸塩


産業医科大学整形外科教授
中村 利孝

 テリパラチド製剤は、すでに20μg毎日注射製剤(商品名:フォルテオ)が使用されて1年になります。このたび、同じテリパラチドで56.5μg週1回注射製剤(商品名:テリボン)が発売されました。テリボンは我が国で開発された骨粗鬆症治療薬です。本日は、その開発経緯と骨折防止効果のエビデンスについてお話いたします。

icon テリパラチド週1回注射剤開発の経緯

 テリパラチド週1回注射製剤の開発は、1990年代の後半からスタートしました。1999年には、藤田らによって、骨粗鬆症男女170例を対象とした臨床試験の成績が報告されました。これはテリパラチドの週1回投与での適切な用量を明らかにするために行われた試験です。

腰椎骨密度(DXA法)変化率

 48週間で、腰椎の骨密度はテリパラチド56.5μgで8.1%、28.2μgで3.6%、14.1μgで0.6%増加しました。

テリパラチド週1回用量検討試験

 椎体骨折の発生率は56.5μgでは0%、28.2μgでは6.7%、14.1μgでは3.2%でした。
 この結果から、テリパラチド週1回注射で十分な骨強度増加を得るためには、少なくとも28.2μg以上が必要であることが示されました。また、テリパラチド週1回注射で、骨形成マーカーである血清アルカリフォスファターゼは上昇しましたが、骨吸収マーカーである尿中デオキシピリジノリンは低下しました。テリパラチドの毎日注射では、骨形成と骨吸収がどちらも増加するのに比べて、週1回注射では骨形成が増加するとともに、骨吸収が抑制され、骨密度が増加することが示された訳です。
 次に3年間の椎体骨折防止効果を確認する試験が開始されましたが、ラットでの長期投与により骨肉腫の発生が見られ、厚生省の指導もあり、この試験は中断されました。

新規椎体骨折の防止効果

 途中までのデータで明らかになった結果では、テリパラチド28.2μg/週の投与では78週で新規椎体骨折を66.4%抑制していました。

6ヵ月毎の新規椎体骨折発生頻度

 また、78週までの26週毎の発生率の抑制も同様でした。
 その後、欧米でテリパラチド毎日注射製剤の強力な骨折防止効果と安全性が確認され、1年半ないしは2年に使用期間を限定して、テリパラチド20μg毎日注射製剤フォルテオの使用が認可されました。それを受けて、我が国でも当局から、テリパラチド週1回製剤の臨床試験の再開が許可されました。

 

提供 : 株式会社スズケン



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