→ 番組表はこちら
→ストリーミング版はこちら
<スズケンDIアワー> 平成24年2月16日放送内容より スズケン

新薬の薬価算定根拠(37)


日本大学薬学部薬事管理学 教授
白神 誠

icon フェソロデックス筋注

 有効成分は、フルベストラントで、アストラゼネカの開発です。フルベストラントは、主にエストロゲン受容体のダウンレギュレーションを介する抗エストロゲン作用有し、「閉経後乳癌」を効能・効果とします。薬価算定については、既存の抗エストロゲン剤とは、臨床的位置づけ、薬理作用及び投与形態が異なるなど、総合的に、薬価算定上の類似薬はないと判断され、原価計算方式で行われました。営業利益率については、ホルモン受容体陽性の閉経後転移・再発乳癌治療においては、内分泌療法を可能な限り継続し、化学療法への移行を遅らせることによる患者のQOLの維持が重要であるところ、既存薬と異なる作用機序を有する本剤は、既存薬に抵抗性を示した患者に対する二次内分泌療法として推奨されており、内分泌療法の更なる継続が可能となる点は評価できるものの、既存薬との比較試験が行われていないこと等から、限定的な評価とされ、平均的な営業利益率プラス10%の営業利益率、すなわち21.1%を用いることとされました。


icon ムコスタ点眼液UD

 有効成分は、レバミピドで、大塚製薬の開発です。レバミピドはムチン産生促進作用を有し、「ドライアイ」を効能・効果とします。薬価算定については、効能・効果などが類似するヒアルロン酸ナトリウムの製剤である、参天製薬のヒアレインミニ点眼液を比較対照薬に類似薬効比較方式(T)で行われました。結膜障害の改善について、ヒアルロン酸ナトリウムに対する本剤の優越性が検証されたと審査報告書において評価されていることから、加算率5%の有用性加算Uが適用されました。


icon タコシール組織接着用シート

 有効成分は、ヒトフィブリノゲン及びトロンビン画分で、これを支持体であるウマコラーゲンに固着させたもので、CSLベーリングの開発です。これらの配合成分は、フィブリン塊生成作用を有し、「肝臓外科、肺外科、心臓血管外科、産婦人科及び泌尿器外科領域における手術時の組織の接着・閉鎖」を効能・効果とします。ただし、適用は、縫合あるいは接合した組織から血液、体液又は体内ガスの漏出をきたし、他に適切な処置法のない場合に限定されています。薬価算定については、本剤は、既に薬価収載されている同じCSLベーリングの製剤であるタココンブ組織接着用シートの有効成分からウシ由来のアプロチニンを除いたものであることから、このタココンブ組織接着用シートを比較対照薬に、類似薬効比較方式(T)で行われました。

 以上の9成分10品目は、昨年(平成23年)11月16日及び11月18日の中医協総会で審議され、11月25日に薬価基準に収載されました。

 

提供 : 株式会社スズケン



前項へ 1 2 3