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<スズケンDIアワー> 平成24年3月1日放送内容より スズケン

多発性硬化症治療薬 フィンゴリモド塩酸塩


北海道医療センター臨床研究部長
新野 正明

icon フィンゴリモドの臨床効果

 海外で実施された大規模な二つの臨床試験の結果があります。すなわちプラセボを対照に2年間実施されたFREEDOMS試験とIFNβ-1a(筋肉内注射薬)を対照に1年間実施されたTRANSFORMS試験です。プラセボを用いたFREEDOMS試験では主要評価項目である年間再発率が、プラセボ群に比べフィンゴリモド群で54%有意に減少していた他に、有意な脳萎縮抑制効果も確認されました。一方、TRANSFORMS試験では、主要評価項目である年間再発率が、IFNβ-1a群は0.33回だったのに対して、フィンゴリモド群は0.16回と、有意に再発率が減少していました。また、投与1年間で認められた新規または新規に拡大したT2強調病巣数も、IFNβ-1a群は2.6個だったのに対して、フィンゴリモド群は1.7個でと有意に少ない値を示しました。

国内第ll相試験

 一方、国内でも再発性多発性硬化症患者171例を対象に第Ⅱ相試験が行われ、年間再発率がプラセボ群に比べフィンゴリモド群で49%有意に減少し、MRIで評価した疾患活動性も、プラセボ群に比べフィンゴリモド群で有意に抑制されました。
 フィンゴリモドは有効性が高く、経口剤で非常に利便性の高い薬剤ですが、使用経験が短いため、安全性についてはきちんと評価していくことが重要と考えています。先ほども述べましたように、これまでのインターフェロン製剤は海外からかなり遅れて導入したため、海外での長期安全性に関する情報があったのですが、フィンゴリモドに関しては、海外とほぼ同時期に使用できるようになったため、長期の安全性情報が少ないと言うことがあり、今後、使用経験を積み重ねることが重要と考えます。

 

提供 : 株式会社スズケン



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