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<スズケンDIアワー> 平成24年3月15日放送内容より スズケン

不眠症治療薬 エスゾピクロン


日本大学精神医学系教授
内山 真

icon 身体疾患と関連した不眠

 閉経期の前後では、ホットフラッシュや多汗などの自律神経症状とともに不眠や気分障害が高頻度に見られます。閉経期の前後で見られる不眠にエスゾピクロンを用いて治療することで、ホットフラッシュなど更年期障害の症状や気分の障害も改善することがプラセボ対照2重盲験試験で示されています。エスゾピクロン投与群では、プラセボ群と比べ入眠、睡眠維持、睡眠の質、睡眠時間の改善とともに、日中の社会機能の改善が改善し、さらに、ホットフラッシュによる中途覚醒、気分、更年期症状なども同時に改善しました。別の研究では閉経周辺期および閉経直後の不眠症でホットフラッシュと抑うつないし不安を伴う患者59名に対して、エスゾピクロン3mgあるいはプラセボを二重盲験法で12週投与し、エスゾピクロン投与群では、非投与群に比べ不眠の全般的改善とともに、抑うつ症状および夜間のホットフラッシュの改善が見られました。パーキンソン病では中途覚醒などの睡眠維持障害が見られることが多くあります。パーキンソン病および不眠の併存例に対して、エスゾピクロンあるいはプラセボを二重盲験法で無作為に6週間投与した結果、中途覚醒回数、睡眠の質が改善した。日中の機能状態に関しては差が見られませんでした。

icon おわりに

 エスゾピクロンの開発においては、不眠を各種疾患の症状としてではなく、併存する障害としてとらえる立場から、それまで臨床的に検討されていなかった点について多くのことが明らかにされ、睡眠医学にとっても大きなインパクトを与えました。今後は、長期投与の影響や精神疾患に併存する不眠についての作用が、エスゾピクロンに特異的なものか、あるいは不眠の改善に伴う一般的な効果かという点について、検討が必要と考えられます。

 

提供 : 株式会社スズケン



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