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<スズケンDIアワー> 平成24年4月19日放送内容より スズケン

添付文書の中の副作用(31) 腫瘍崩壊症候群


帝京大学名誉教授
清水 直容

icon 腫瘍崩壊症候群・医薬品

 これまでに腎臓関係では溶血性尿毒症候群、抗利尿ホルモン不適切分泌症候群、ネフローゼ症候群、間質性腎炎、電解質異常をお話しさせていただきましたが、「重篤副作用診断マニュアル第5集」に、まだお話ししておりません二つ、すなわち腫瘍崩壊症候群と腎性尿崩症があります。今回は腫瘍崩壊症候群(tumor lysis syndrome;TLS)についてです。

死亡数の多いがん

 日本におけるがんによる死亡は32万人と言われ、順番に、肺、胃、肝臓、結腸、膵の順に多く、医薬品への期待も進み、臨床腫瘍学会などから全生存期間などを目標とした成績が報告され、最近、分子標的治療医薬品も承認されています。医療費が非常に高額であるなどの問題もありますが、重篤有害事象への関心は変わりません。
 腫瘍用薬の効能・効果分類番号の3けたは421より429まで5分類されており、次の五つであります。
 アルキル化剤、代謝拮抗剤、抗腫瘍性抗生物質製剤、抗腫瘍性植物成分製剤、その他の腫瘍用薬です。本日はこの番号のみで説明します。
 これらの医薬品を使用した際には、本日お話しする症候群の記載がなくても、既にお話ししたファンコニー症候群や急性腎不全の記載医薬品もありますので、排尿障害を含め尿への注意は必要です。


死亡数の多いがん

 病態は、悪性腫瘍の治療時に腫瘍が急速に死滅、崩壊するときに生じ、体内の尿酸、カリウム、カルシウム、リンなどの電解質のバランスが崩れ血液が酸性になる、腎臓からの尿の産生が減少するなどの異常が出ることで、治療開始後12-72時間以内に出ます。細胞の核内には尿酸が多いので、細胞破壊が増加の原因でしょう。
 自覚は尿量減少がありますが、症状は少ないです。検査として血液、尿の検査が重要であります。予防は水分補給と言えましょう。
 JAPIC2012の検索で、一般名で12品目あり、本日は五十音順の12の医薬品について申し上げます。
 以下は記載例として、主として基本添付文書よりの引用ですが、当然、各医薬品の添付文書をどうぞお読みください。適切な処置の記載はほぼ同じでして、生理食塩液、高尿酸血症治療剤等の投与、透析であすが、内容は以下省略いたします。

 

提供 : 株式会社スズケン



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