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<スズケンDIアワー> 平成24年4月26日放送内容より スズケン

癌骨転移による骨病変治療薬 デノスマブ(遺伝子組換え)


虎の門病院臨床腫瘍科部長
高野 利実

 本日は、固形癌の骨転移の治療薬として最近承認されたデノスマブ(遺伝子組換え);商品名ランマークについてご紹介します。

icon 骨転移の頻度とQOL

骨転移の頻度と骨転移後の生存期間

 骨転移は、進行乳癌や進行前立腺癌の65〜75%、進行肺癌の30〜40%に認められ、他の進行癌でも一定の割合で認められます。<
 癌の骨転移は、それ自体が直接生命を脅かすことはあまりないのですが、病的骨折をきたしたり、痛みをもたらしたり、脊髄圧迫をきたしたりして、癌患者の生活の質(QOL)を低下させる原因となります。
 進行癌の治療目標として、生存期間の延長とともに重要なのは、QOLの向上、または、維持です。骨転移の進展を抑え、骨転移に伴う合併症を防ぐことは、QOLの維持のために、とても重要です。
 デノスマブは、骨転移のある患者さんにおいて、骨転移に関連する合併症を防ぐ効果が証明されている、現時点で最強のお薬で、今後、実地臨床でも広く使われるようになると思われます。
 まず、最初に、骨の代謝と、骨転移の病態、そして、デノスマブの作用機序について、説明します。

icon 骨の代謝

 骨代謝は、骨を吸収する破骨細胞 (osteoclast)と、骨を形成する骨芽細胞(osteoblast)のバランスによって成り立っています。

正常な骨生理

 このバランスをとるのに重要な役割を果たしているのが、RANK (receptor activator of NF-κB)と、そのリガンドである、RANKリガンドです。
 正常な骨においては、破骨細胞による骨吸収に続いて、骨芽細胞による骨形成が誘導されて骨が修復されます。この過程は、骨リモデリングとも呼ばれます。
 骨は生体内でも、特に豊富に増殖因子を含む組織です。インスリン様増殖因子(IGF)や、形質転換増殖因子(TGF-β)などの増殖因子を多く含んでいます。正常な骨では、これらの増殖因子は、骨芽細胞が新しい骨を造るために使われますが、癌の骨転移では、これらの増殖因子は、転移巣の形成、および、癌細胞の増殖に働きます。

 

提供 : 株式会社スズケン



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