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<スズケンDIアワー> 平成24年4月26日放送内容より スズケン

癌骨転移による骨病変治療薬 デノスマブ(遺伝子組換え)


虎の門病院臨床腫瘍科部長
高野 利実

icon 骨転移による骨変化の流れ

RANKL

 骨に転移した癌細胞は、上皮小体ホルモン関連蛋白(PTHrP)などを放出することで骨芽細胞を刺激し、骨芽細胞からRANKリガンドを産生させます。
 RANKリガンドは、破骨細胞前駆体、および、破骨細胞の表面に存在するRANKと結合することにより、破骨細胞の分化、および、活性化を促します。
 破骨細胞が活性化すると、骨吸収が亢進し、骨破壊が進むとともに、骨基質からは、IGFやTGFβなどの増殖因子が分泌されます。
 そして、この増殖因子の刺激で、癌細胞の増殖が進むことになります。
 このように、癌細胞の増殖によって骨破壊が進行し、その骨破壊によって癌細胞の増殖がさらに進む、という悪循環が形成されてしまうわけです。
 がん細胞、骨芽細胞の活性化、RANKリガンドを介した破骨細胞の活性化、骨吸収、骨破壊とそれに伴う増殖因子の分泌、そして、がん細胞の増殖、という流れです。
 RANKリガンドは、破骨細胞の分化、活性化、生存に必須のメディエーターであり、この悪循環において中心的な役割を果たしています。

ランマーク

 このRANKリガンドを阻害すれば、破骨細胞による骨吸収の亢進を抑制し、さらには、骨転移の進行を抑制できると考えられています。
 RANKリガンドと特異的に結合し、その働きを阻害する薬剤として開発されたのが、RANKリガンドに対するヒト型モノクローナル抗体であるデノスマブ遺伝子組換えです。
 破骨細胞の活性化を抑制する薬剤として広く臨床使用されているビスフォスホネート製剤は、成熟した破骨細胞のアポトーシスを誘導し、骨吸収を不可逆的に阻害しますが、デノスマブは破骨細胞の形成段階から阻害作用を示すため、ビスフォスフォネート製剤より強力な骨吸収抑制作用を発揮すると考えられています。

 

提供 : 株式会社スズケン



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