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<スズケンDIアワー> 平成24年5月3日放送内容より スズケン

キャンディン系抗真菌薬 カスポファンギン酢酸塩


昭和大学臨床感染症学教授
二木 芳人

icon ミカファンギンとの相違点

健康成人におけるcaspofungin 50mg 1日1回投与時の平均トラフ濃度

 さて、それでは実際の臨床応用に際して、我々が良く知るミカファンギンと、今回新発売となったカスポファンジンの効果・安全性面での違い、さらに各々はどのように使い分けられるべきかなどを考えてみましょう。既に述べましたように基礎的な特性では、両者に大きな差は見られませんが、カスポファンジンの投与量・投与法は初回ローディング・ドースとして70mgをまず1回点滴静注し、以降1日1回50mgを投与で維持量とします。

解熱の定義の変更と複合エンドポイントでの総合有効率

 これは初回から維持量を投与するミカファンギンの投与法と異なります。また、ミカファンギンでは感染症や原因真菌に応じて投与量を変更しますが、カスポファンジンは原則この投与量・投与法で全ての感染症、病原真菌に対応します。ミカファンギンではアスペルギルス症には1回300mgまで使用できますので、カスポファンジンの投与量はやや少ないと思われるかもしれませんが、カスポファンジンは、まず生体内での活性が高く、比較的低用量でも良好な治療効果が得られることが基礎的な研究で確認されていること。次に、海外においてもこの用量・用法が用いられますが、その臨床効果が多くの臨床的エビデンスに支えられていると言うことがあり、この投与量や投与法の妥当性が評価されます。従来の標準的治療薬である、アムホテリシンB製剤や各種トリアゾ―ル系薬あるいはミカファンジンとのオープンラベルでの、あるいはランダム化比較試験が数多く実施されています。

カンジダ血症の有効率

 カスポファンジンとミカファンギンの直接の比較試験成績は限られていますが、カンジダ血症や侵襲性カンジダ症でのカスポファンジンの有効性はミカファンギンの100もしくは150mg投与のそれと同等との結果も示されていますし、持続性発熱性好中球減少患者での経験的治療における有効性は、アムホテリシンBのリポソーム製剤と同等との結果も得られています。また、この試験では真菌症の発症が確認された患者群での有効性、生存率はカスポファンジン群で優位に高く、当然のことながら、副作用はカスポファンジン群で有意差をもって低く示されています。

 

提供 : 株式会社スズケン



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