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<スズケンDIアワー> 平成24年5月24日放送内容より スズケン

新薬の薬価算定根拠(38)


日本大学薬学部薬事管理学 教授
白神 誠

前回の放送以降薬価基準に収載された新医薬品の薬価算定根拠について説明します。


icon ルネスタ錠

 有効成分は、エスゾピクロンで、エーザイの開発です。エスゾピクロンは、ラセミ体であるゾピクロンを光学分割したものでベンゾジアゼピン受容体刺激作用を有し、「不眠症」を効能・効果とします。補正加算のいずれの要件にも該当せず、効能・効果、薬理作用等が類似する内用剤が既に3つ以上あることから、類似薬効比較方式Uで算定が行われました。薬価の算定は、薬価収載から10年を超えるものの、直近に収載された類似薬ゾルピデム酒石酸塩の1日薬価が最も低かったことから、その製剤であるアステラス製薬のマイスリー錠を比較対照薬に行われました。


icon エビリファイOD錠

 有効成分はアリピプラゾールで大塚製薬の開発です。アリピプラゾールは、ドパミンD2受容体部分アゴニストで、「統合失調症」を効能・効果とする錠剤が既に発売されています。今回、新たに「双極性障害における躁症状の改善」が追加され、そのための用量が設定されたものです。したがって、薬価算定については、既存の同一成分の製剤である大塚製薬のエビリファイ錠を比較対照薬に規格間調整により行われました。


icon レグナイト錠

 有効成分はガバペンチン エナカルビルで、アステラス製薬の開発です。ガバペンチン エナカルビルは、電位依存性カルシウムチャンネル阻害作用を有し、「中等度から高度の特発性レストレスレッグス症候群(下肢静止不能症候群)」を効能・効果とします。本剤と同じ効能・効果を持つ既収載品に、プラミペキソール塩酸塩水和物がありますが、プラミペキソール塩酸塩は、@当初はパーキンソン病薬として承認・薬価収載され、7年後に本剤と同じ効能・効果を追加したものであること、及びA薬理作用、化学構造等が異なることから、総合的に勘案し、類似薬はないと判断され、原価計算方式により薬価算定が行われました。営業利益率については、平均的な営業利益率19.1%が適用されています。


icon アジルバ錠

 有効成分は、アジルサルタンで、武田薬品工業の開発です。アジルサルタンは、アンジオテンシンU受容体拮抗作用を有し、「高血圧症」を効能・効果とします。本剤については、効能・効果、薬理作用等が類似する内用剤が既に3つ以上ありますが、国内臨床結果から血圧降下作用においてアンジオテンシンU受容体拮抗作用薬の代表であるカンデサルタン シレキセチルに対する統計的な有意差が検証され、治療法の改善が客観的に示されていると考えられたことから有用性加算(U)が適用され、薬価算定は類似薬効比較方式(T)で行われました。比較対照薬は、オルメサルタン メドキソミルの製剤である第一三共のオルメテック錠が選定され、加算率は5%が適用されました。

 

提供 : 株式会社スズケン



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