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<スズケンDIアワー> 平成24年5月24日放送内容より スズケン

新薬の薬価算定根拠(38)


日本大学薬学部薬事管理学 教授
白神 誠

icon カンサイダス点滴静注用

 有効成分は、カスポファンギン酢酸塩で、MSDの開発です。カスポファンギン酢酸塩は、細胞壁合成阻害作用を有し、「@真菌感染が疑われる発熱性好中球減少症、及びAカンジダ属又はアスペルギルス属による食道カンジダ症及び侵襲性カンジダ症並びにアスペルギルス症」を効能・効果とします。薬価算定は、効能・効果、薬理作用等が類似するミカファンギンナトリウムの製剤であるアステラス製薬のファンガード点滴用を比較対照薬に類似薬効比較方式(T)で行われました。本剤は、審査報告書において海外ガイドラインにおける位置付け等を元に、広く第一選択薬となり得るとの評価がなされていることから有用性加算Uが適用されました。ただし、国内第V相試験において集積された症例数が限られていることから、限定的な評価とされ、加算率5%が適用されています。また、算定された薬価が海外平均価格の4分の3を下回ったことから、外国価格調整により引上げが行われました。


icon オキファスト注

 有効成分はオキシコドン塩酸塩水和物で、塩野義製薬の開発です。オキシコドン塩酸塩水和物は、求心性痛覚伝道路の抑制作用を有し、「中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛」を効能・効果とする錠剤が既に発売されています。今回、新たに注射剤が開発されたものです。したがって、薬価算定については、既存の同一成分の製剤である塩野義製薬のオキシコンチン錠を比較対照薬に類似薬効比較方式(T)で行われました。


icon エムラクリーム

 有効成分は、リドカインとプロピトカインの配合剤で、佐藤製薬の開発です。リドカインは神経遮断作用を、プロピトカインは活動電位伝導抑制作用を有し、「皮膚レーザー照射療法時の疼痛緩和」を効能・効果とします。単剤では、リドカイン、プロピトカイン塩酸塩等のアミド型局所麻酔薬の既収載品がありますが、本剤は同種の薬剤を組み合わせた共融混合物であり、組成に加え、効能・効果、投与形態等が単剤の既収載品とは異なることから、総合的に勘案し、類似薬はないと判断され原価計算方式により薬価算定は行われました。営業利益率については、平均的な営業利益率19.1%が適用されました。


icon アイファガン点眼液

 有効成分は、ブリモニジン酒石酸塩で千寿製薬の開発です。ブリモニジン酒石酸塩は、アドレナリンα2 受容体刺激作用を有し、「緑内障又は高眼圧症で、他の緑内障治療薬が効果不十分又は使用できない場合」を効能・効果とします。薬価算定は、効能・効果等が類似するブリンゾラミドの製剤である、日本アルコンのエイゾプト懸濁性点眼液を比較対照薬に類似薬効比較方式(T)で行われました。

 以上の12成分21品目は、平成24年4月14日の中医協総会で審議され、同4月17日に薬価基準に収載されました。

 

提供 : 株式会社スズケン



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