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<スズケンDIアワー> 平成24年6月21日放送内容より スズケン

緑内障・高眼圧症治療用点眼薬 ブリモニジン酒石酸塩


東海大学八王子病院専門診療学系教授
鈴木 康之

 本日は、本年(2012年)5月11日に新しく発売されました緑内障・高眼圧症治療剤の0.1%ブリモニジン酒石酸塩点眼液(以下プリモニジン点眼液、商品名:アイファガン点眼液0.1%)について紹介します。
 本剤は、アドレナリンα2受容体作動薬の緑内障・高眼圧症治療剤として、日本で初めて承認された薬剤です。用法・用量は、通常1回1滴、1日2回点眼、効能・効果は、「緑内障・高眼圧症で、他の緑内障治療薬が効果不十分又は使用できない場合」とされています。

icon 緑内障とその治療について

 緑内障は、眼球の後ろ側にある視神経が何らかの原因によって障害されて視野が欠けていく進行性の疾患で、日本国内では40歳以上の5%が罹患していると推定され、常に失明原因の上位を占めており、適切に治療されなければ、失明に至る重篤な視機能障害をもたらす疾患です。
 緑内障治療の最大の目的は、視機能を維持させることです。海外で行われたいくつかの大規模臨床研究では、緑内障の視野障害と眼圧下降治療の関連性が検討され、眼圧値が1 mmHg低下することによって視神経障害の進行リスクがおよそ10%減少することが報告されており、眼圧を少しでも低下させることが緑内障患者の視機能維持に非常に重要であると考えられています。また、日本緑内障学会が作成した緑内障診療ガイドラインでは、緑内障に対するエビデンスに基づいた唯一確実な治療方法は、眼圧を下げることであるとされており、原発開放隅角緑内障の治療は眼圧下降薬による治療が第一選択であると定められています。眼圧下降薬による治療において、一般的に第一選択薬として使用されているのはプロスタグランジン関連薬とβ遮断薬で、併用薬として炭酸脱水酵素阻害剤などが使用されてきました。緑内障診療ガイドラインでは、原則として、薬物治療は単剤治療が推奨されていますが、単剤治療だけでは眼圧下降効果が不十分で目標眼圧に到達していない患者さんに対しては、2剤あるいは3剤による併用治療が行われています。その際には、同じ薬理作用の薬剤は併用すべきではないと考えられています。このように、緑内障の治療では眼圧を下降させる薬物療法が欠かせないものの、実状としては既存薬だけでは十分とは言えず、より強力な眼圧下降効果を有する薬剤や、新しい作用機序を有する薬剤の開発が望まれていました。

icon ブリモニジン点眼液の作用機序

 ブリモニジン点眼液は、すでに海外では1996年よりアメリカで開放隅角緑内障または高眼圧症を適応症として承認され使用されており、2011年9月現在で、84の国と地域で承認されている薬剤です。海外では、最初に0.2%製剤が承認され、その後、製剤的な工夫により、0.15%製剤、0.1%製剤が承認されています。また、2011年にはLow- pressure Glaucoma Treatment Study(通称:LoGTS)において、0.2%製剤が臨床で初めて神経保護作用による視野維持効果の可能性が示唆されたという報告があり、注目されています。
 日本で使用可能となったブリモニジン点眼液は臨床試験の至適濃度検討の結果、0.1%製剤が承認されました。製剤的な特徴としては、医薬品の添加剤として国内で新たに使用が認められた亜塩素酸ナトリウムを保存剤として含有していることです。亜塩素酸ナトリウムは、眼表面で生体成分に分解されることから、高い安全性が期待されている保存剤です。

房水動態とブリモニジンの作用機序

 作用機序の面でも特徴があり、ブリモニジンはアドレナリンα2受容体に選択的に作用することにより、「房水産生の抑制」と「ぶどう膜強膜流出路を介した房水流出の促進」の2つの経路でのデュアル作用を示し、その結果、眼圧を下降させると考えられています。

 

提供 : 株式会社スズケン



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