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<スズケンDIアワー> 平成24年6月21日放送内容より スズケン

緑内障・高眼圧症治療用点眼薬 ブリモニジン酒石酸塩


東海大学八王子病院専門診療学系教授
鈴木 康之

icon 本剤の臨床での可能性

 以上、ここまでお話した内容から、本剤の今後の臨床使用について考えてみたいと思います。

緑内障治療薬の併用療法

 現在の日本における緑内障の薬物治療には、ぶどう膜強膜流出路を介した房水流出を促進するプロスタグランジン関連薬あるいは交感神経α1遮断薬、房水産生を抑制するβ遮断薬あるいは炭酸脱水酵素阻害剤、線維柱帯流出路を介した房水流出を促進する副交感神経刺激薬などが市販されています。
 上記の通り、緑内障に対する薬物治療の現状として、個々の患者さんの目標眼圧を達成するために、これらの単剤治療だけではなく、2剤あるいは3剤を使用する多剤併用により治療している患者も少なくありません。そのような中、2010年に配合点眼剤が発売されたことにより、多剤併用が必要な患者の点眼薬の数を減らすことが可能となり、追加薬としてブリモニジン点眼液を処方しやすくなったと考えられます。また、新しい作用機序を有する緑内障治療薬であるため、国内のすべての既存薬との併用効果が十分に期待できることからも、今後はプロスタグランジン関連薬に併用する際の第1選択薬として期待しています。
 副作用については、結膜炎や点状角膜炎の発現頻度が高めですが、ほとんどが眼局所の症状でいずれも可逆的なものでした。ただし、国内長期臨床試験では、アレルギー性結膜炎や眼瞼炎の発現頻度が高くなる傾向が認められているため、長期に使用する場合は経過観察に注意が必要です。また、海外の臨床試験において、2~7歳の幼児および小児に対して、高い頻度で傾眠の発現が認められているとの報告もあり、注意が必要です。
 製剤的な特徴として、保存剤として使用されている亜塩素酸ナトリウムは、眼表面で生体成分に分解されることから、安全性も期待されています。

 以上のことから、ブリモニジン点眼液は、新しい作用機序を有する緑内障治療の新たな選択肢として期待できる薬剤であり、私自身は「従来の点眼薬では降圧不十分な患者」、「従来の点眼薬があまり有効で無かった患者」等での有効性、安全性について、まず確認していきたいと思います。

 

提供 : 株式会社スズケン



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