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<スズケンDIアワー> 平成24年7月12日放送内容より スズケン

非小細胞肺癌治療分子標的薬 クリゾチニブ


近畿大学内科学腫瘍内科部門教授
中川 和彦

icon クリゾチニブの臨床試験成績

臨床第I相試験

 2009年から2011年にかけて、毎年、このクリゾチニブの学会発表が続いております。主な有効性に関する情報に関しては、アメリカ、韓国を中心に行われた臨床第Ⅰ相試験が主なものであります。初めてヒトに投与される臨床試験を第Ⅰ相試験と呼ぶのですが、クリゾチニブの臨床第I相試験は拡大を続け、100症例を超える非常に大きな第Ⅰ相試験結果として報告されています。

 EML4-ALKの融合遺伝子陽性肺がん患者に対して、つまりALK肺がんに対して奏功率が64%、再増悪までの期間(PFS)が約10カ月という報告です。この結果は、EGFR肺がんに対するEGFR-TKI(ゲフィニチブ)の効果とほぼ同等であり、従来の抗がん剤を凌駕する可能性を示していると言うことができます。
 昨年【2011年】のASCOでは、ALK肺がん患者でクリゾチニブで治療を受けなかった患者と、最近、ALK肺がんでクリゾチニブ治療を受けた患者を比較したデータが報告されました。それによりますと、従来の標準治療を受けた場合に比較して生存期間が延長する可能性があることが示され、2011年8月にFDAで承認を受けるに至ったのです。

 現在、ALK肺癌初回治療症例を対象にした第III相比較試験とALK肺癌二次治療症例を対象とした第III相比較試験の二つのグローバル比較試験が実施中です。つい最近、二次治療を対象にした比較試験でクリゾチニブが従来の抗がん剤治療と比較して再燃までの期間を延長させるとの結果が速報されました。近い将来、いずれかの学会で詳細な結果が発表されるでしょう。

 

提供 : 株式会社スズケン



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