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<スズケンDIアワー> 平成24年7月19日放送内容より スズケン

夜尿症治療薬 デスモプレシン酢酸塩水和物OD錠


関西医科大学小児科教授
金子 一成

 本日は本年5月に発売された夜尿症治療薬;デスモプレシン酢酸塩水和物OD錠(商品名、ミニリンメルトOD錠)についてお話いたします。

icon 夜尿症の病型分類

 夜尿症とは、一般に、「5歳を過ぎて週に2−3回以上の頻度で、少なくとも3ヶ月以上連続して夜間睡眠中の尿失禁を認めるもの」と定義されます。本邦では、夜尿症の小児が医療機関を受診するのは、ほとんどが小学校入学後ですが、およそ小学校1年生に相当する7歳児の夜尿症の有病率は10%程度とされ、その後年間約15%ずつ自然治癒していき、成人に至るまでにほぼ全例が治癒すると考えられています。男女比は約2:1で男児に多いとされています。
 家族集積性が高く、片親に夜尿症の既往がある場合40%に、また両親に夜尿症の既往がある場合70%の子どもに夜尿症が出現しますが、明らかな原因遺伝子はまだ特定されていません。
 夜尿症の病因は、夜間睡眠中の覚醒障害を基盤として、抗利尿ホルモン(ADH)の日内変動の欠如や排尿抑制機構の発達の遅れが加わって起こるものと考えられています。つまり、夜尿をするか否かは、夜間睡眠中の尿意による覚醒があるか、および、覚醒のない場合には夜間尿量と膀胱容量のバランスが適切かによって決定されます。すなわち夜間尿量が多くても、覚醒してトイレで排尿するか、膀胱容量が夜間尿量を上回れば、夜尿は認められません。また膀胱容量が小さくても夜間尿量がそれ以下であれば夜尿はみられません。

小児の夜尿症の病型分類

 この考え方に基づいて本邦の小児科医は小児の夜尿症を夜間尿量と膀胱容量のバランスから、大きく3つのタイプに病型分類しています。すなわち夜間尿量の多い多尿型、膀胱容量の少ない膀胱型と両者がみられる混合型です。

夜尿症小児の診察項目

 ただし夜尿症の小児の2-3%程度は、泌尿器科的疾患、内分泌疾患、脊髄疾患や精神疾患を有していることがあるため、初診時には問診、身体所見、検査所見から基礎疾患を除外します。基礎疾患のないことが確認できたら、夜間尿量の測定や膀胱容量の測定を行い、前述のような病型分類を行います。

 

提供 : 株式会社スズケン



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