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<スズケンDIアワー> 平成24年7月19日放送内容より スズケン

夜尿症治療薬 デスモプレシン酢酸塩水和物OD錠


関西医科大学小児科教授
金子 一成

icon 国内臨床試験成績から

ミニリンメルトOD錠の国内臨床試験結果

 具体的には、平均年齢8.1歳の患児に対して、1 日1 回就寝前に、120μgの本剤またはプラセボを2 週間投与して、十分な効果、すなわち、ベースラインからの夜尿日数減少率が75% 以上の場合は同用量を更に2 週間継続し、十分な効果が認められない場合には本剤を倍量の240μgに増量するかプラセボを更に2 週間投与したところ、投与開始後3 ~ 4 週目の14 日間あたりの夜尿日数のベースラインからの減少量は、本剤が3.3日、プラセボが1.5 日でした。

水中毒の初期症状

 なお、今回の臨床治験での副作用及び臨床検査値異常の発現例は1例 (発現率2.2%)で、症状の程度は軽度と判定され、いずれも投与の中止に至っておりませんが、本剤の薬効から、低ナトリウム血症による水中毒が重篤な副作用として知られています。低ナトリウム血症による水中毒は重篤例では、痙攣や昏睡の原因となります。低ナトリウム血症の原因は、本剤に限らず、デスモプレシン製剤全般の抗利尿作用によるものであることから、デスモプレシン製剤投与開始に当たっては、厳重な水分摂取管理が必要で、患者及びその家族に十分に説明・指導することが求められます。具体的には、①投与の2~3時間前 あるいは夕食後から翌朝迄の飲水は極力避けること、②過度に飲水してしまった場合は本剤の投与を行わないこと、③水分や電解質のバランスが崩れ、水分補給が必要となる急性疾患、たとえば、全身性感染症、発熱、胃腸炎等を合併している場合は本剤の投与を中止すること、④就眠前の排尿を徹底し、指示された投与量を厳守すること、⑤水中毒を示唆する症状 すなわち倦怠感、頭痛、悪心・嘔吐等があらわれた場合には直ちに投与を中断し、速やかに医師に連絡すること、および⑥他院や他科を受診する際には、本剤投与中である旨を担当医師に報告すること、などが挙げられます。

 以上、新しい夜尿症治療薬、デスモプレシン酢酸水和物OD錠の使用上の注意を中心にお話しして参りました。小児の夜尿症の有病率は高いため、本剤の発売によって夜尿症で悩むこどもへの受診回数が増えるかと思います。しかし安易に本剤を処方するのではなく、基礎疾患を除外し、病型診断を行って、まずは生活指導、すなわち夜尿症の原因と具体的な対処法を示すことが大切です。生活指導で改善せず、尿浸透圧あるいは尿比重の低下を認めた場合には、本剤を処方することになりますが、そのさいにもその副作用および予防策を十分に説明の上で、適正使用を心がけて頂きたいと思います。

 

提供 : 株式会社スズケン



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