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<スズケンDIアワー> 平成24年8月2日放送内容より スズケン

パーキンソン病治療薬 アポモルヒネ塩酸塩水和物


順天堂大学脳神経内科学教授
服部 信孝

icon ウェアリングオフの治療アルゴリズムとアポモルヒネ塩酸塩

Wearing offの治療アルゴリズムにおけるアポカインの位置づけ

 2011年に日本神経学会からパーキンソン病治療ガイドラインが発表されましたが、そのガイドラインにおけるウェアリングオフの治療アルゴリズムにおけるアポモルヒネ塩酸塩の位置づけについて検討してみたいと思います。
 現在、そのウェアリングオフの治療アルゴリズムにおいては、ウェアリングオフがあった場合、L-ドーパを3-4回、あるいはドパミンアゴニストを開始・増量・変更します。まず、最初に問題となってくるのが、ジスキネジアの有無です。ジスキネジアがない場合はエンタカポン、セレギリンあるいはゾニサミドを併用することによって、ウェアリングオフの症状を改善します。ジスキネジアがあった場合、セレギリンは、ドーパ誘発性ジスキネジアを誘発することがありますので、ジスキネジアがあった場合はセレギリンの投与は控えなければいけません。ジスキネジアがあった場合は、L-ドーパの1回量を減量しエンタカポンを併用。エンタカポンの併用も、夕方になってくると血中濃度の上昇が予想されるので、エンタカポンを午前だけ投与する、午後は投与しないなどの工夫が必要になるかもしれません。ゾニサミドは、MAO-B阻害作用もありますが、さまざまな作用があるために、カルシウムイオンチャネルに影響を与える、TH活性に対して増強作用があるなどで、ゾニサミドの併用はジスキネジアが有無にかかわらず、両方とも適用があります。
 その中で、次のステップとしてアポモルヒネ塩酸塩を併用ということになるわけですが、アポモルヒネ塩酸塩の併用はある意味では仕事をしている活発な日常生活を送られている方にとっては、エンタカポンの併用の同じレベルでアポモルヒネ塩酸塩の併用が予想されます。アポモルヒネ塩酸塩の併用がいかに患者のQOLを上げるかは、今後、我々神経内科医あるいは内科の先生方がしっかりと見ていっていただきたいと思います。

icon アポモルヒネ塩酸塩の対象患者について

アポカインの推奨患者

 アポモルヒネ塩酸塩の推奨患者としては、もちろん仕事をしているという方が第一優先になります。仕事をしているけれども生活に余り支障はないという方でも、やはりアポモルヒネ塩酸塩が第一優先になります。仕事はしていないが外出機会が多い方も、アポモルヒネ塩酸塩の第一優先患者になります。外出しない、あるいは仕事をしていない、外出機会が多い、でも生活に支障がないという方は第二優先患者になります。
 活発なパーキンソン病患者の生活をレスキューする薬剤、アポモルヒネ塩酸塩が、今後日本でもどんどん使われるようになると思われます。

 

提供 : 株式会社スズケン



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