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<スズケンDIアワー> 平成24年8月23日放送内容より スズケン

新薬の薬価算定根拠(39)


日本大学薬学部薬事管理学 教授
白神 誠

前回の放送以降薬価基準に収載された新医薬品の薬価算定根拠について説明します。


icon キックリンカプセル

 有効成分は、ビキサロマーで、アステラス製薬の開発です。ビキサロマーは、高分子による吸着作用を利用した血中リン低下作用を有し、「透析中の慢性腎不全患者における高リン血症の改善」を効能・効果とします。薬価算定は、効能・効果、薬理作用等が類似するセベラマー塩酸塩の製剤である協和発酵キリンのフォスブロック錠及び中外製薬のレナジェル錠を比較対照薬に類似薬効比較方式(T)で行われました。


icon ミニリンメルトOD錠

 有効成分はアリピプラゾールで大塚製薬の開発です。アリピプラゾールは、ドパミンD2受容体部分アゴニストで、「統合失調症」を効能・効果とする錠剤が既に発売されています。今回、新たに「双極性障害における躁症状の改善」が追加され、そのための用量が設定されたものです。したがって、薬価算定については、既存の同一成分の製剤である大塚製薬のエビリファイ錠を比較対照薬に規格間調整により行われました。


icon ブレーザベスカプセル

 有効成分は、ミグルスタットでアクテリオンファーマシューティカルズジャパンの開発です。ミグルスタットは、グルコシルセラミド合成酵素阻害作用を有し、「ニーマン・ピック病C型」を効能・効果とします。ニーマン・ピック病C型は、先天性の脂質代謝異常症であり、現在国内で確認されている患者数は15名程度で、全世界では約500名と推定されています。ニーマン・ピック病C型については、これまで有効な治療法がなく、類似の効能・効果、薬理作用等を持つ類似薬はないと判断され、薬価算定は原価計算方式により行われました。営業利益率については、平均的な営業利益率19.1%が適用されました。なお、平均的な営業利益率については、日本投資銀行の「産業別財務データハンドブック」における医薬品産業の値を用いて決めていますが、今年の4月以降、過去3年間の平均の値を用いることと改められ、従来の19.2%から19.1%を用いることに変更されています。

 

提供 : 株式会社スズケン



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