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<スズケンDIアワー> 平成24年8月23日放送内容より スズケン

新薬の薬価算定根拠(39)


日本大学薬学部薬事管理学 教授
白神 誠

icon ザーコリカプセル

 有効成分は、クリゾチニブでファイザーの開発です。クリゾチニブは、未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)阻害作用を有し、「ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」を効能・効果とします。既存の化学療法剤又は分子標的薬とは、臨床的位置づけや薬理作用が異なるなど、総合的に、類似の効能・効果、薬理作用等を持つ類似薬はないと判断され、薬価算定は原価計算方式により行われました。本剤については、新規の作用機序である未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)阻害作用を有していること、「抗悪性腫瘍薬の臨床評価方法に関するガイドライン」では、第U相試験終了時において高い臨床的有用性を推測させる相当の理由が認められる場合には、承認を得ることができるとされているところ、本剤は、対象患者が少ない中、この枠組みの中で承認されたものであり、レトロスペクティブ解析において全生存期間の有意な延長が観察されているなど、高い臨床的有用性を推測させる相当の理由が承認審査において認められていることから営業利益率の上乗せが認められました。ただし、日本人における安全性情報が限られていることから限定的な評価とされ、平均的な営業利益率プラス20%の営業利益率、すなわち22.9%が適用されました。ちなみに、ALK阻害作用を発見したのは、日本の研究者でした。なお、本製剤の使用上の注意において、「十分な経験を有する病理医又は検査施設における検査により、ALK融合遺伝子陽性が確認された患者に投与すること。」とされており、ALK融合遺伝子陽性の確認のための臨床検査が、新たに診療報酬で認められています。


icon アポカイン皮下注

 有効成分は、アポモルヒネ塩酸塩水和物で協和発酵キリンの開発です。アポモルヒネ塩酸塩水和物は、ドパミンD1様及びD2様受容体作動薬で、「レボドパ含有製剤の頻回投与及び他の抗パーキンソン病薬の増量等を行っても十分に効果が得られない場合のパーキンソン病におけるオフ症状の改善」を効能・効果とします。既存の抗パーキンソン病薬とは効能効果、臨床的位置づけが異なっているなど、類似の効能・効果、用法等を持つ類似薬はないと判断され、薬価算定は原価計算方式により行われました。営業利益率については、平均的な営業利益率19.1%が適用されました。なお、本剤については、在宅自己注射が認められています。

 

提供 : 株式会社スズケン



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