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<スズケンDIアワー> 平成24年9月13日放送内容より スズケン

医薬品・医療機器等安全性情報―最近の話題(29)-子宮頸がん予防ワクチンの安全対策について-


NTT東日本関東病院 薬剤部長
折井 孝男

icon 失神・血管迷走神経反射と転倒による二次被害について

 失神・血管迷走神経反射と転倒等による二次被害についてですが、平成24年6月現在HPVワクチンは、組換え沈降2価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチンであるサーバリックス® (以下「2価HPVワクチン」)と、組換え沈降4価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチンであるガーダシル® (以下「4価HPV ワクチン」)の2種類が承認、販売されています。これらは本事業の対象ワクチンとなっています。

失神・血管迷走神経反射と転倒等による二次被害について

 2種類のHPVワクチンについて、販売開始から平成24年3月31日までに医療機関から報告された副反応の報告頻度は、2価、4価ともに0.013%です。

失神・血管迷走神経反射と転倒等による二次被害について

 このうち失神関連の副反応は、10万接種あたり2価は683例、4価は129例です。このなかには、失神による転倒の結果、二次被害を起こした症例も報告されています。二次被害の内容は、頭部、顔面、下顎部などの打撲で、顔面骨折に至った症例や、MRIにて軽度の脳挫傷や血腫形成が認められた症例もありました。二次被害は、接種後に立っていたり、移動のため立ち上がったり、背もたれや肘掛け等がない椅子で待機していた場合に起こっています。

失神・血管迷走神経反射と転倒等による二次被害について

 失神発現の原因については、HPVワクチンそのものによるのではなく、注射という行為による痛み、恐怖、興奮などに引き続く血管迷走神経反射と考えられています。また、接種から失神までの時間は、不明を除くと直接又は接種15分以内に発現したとする症例が約9割程度を占めています。しかし、接種15分以上経過後に発現した症例も報告されています。これらの中には、起立性低血圧等と思われる失神症例もあるなどその他の原因も指摘されています。安全対策として、両方のHPVワクチンの添付文書に販売開始時より使用上の注意の「重要な基本的注意」並びに「その他の副反応」の項において、失神・血管迷走神経反射に関する注意喚起がなされています。

失神・血管迷走神経反射と転倒等による二次被害について

 また、製造販売業者は、接種直後に転倒し二次被害を起こした症例が報告されていることを踏まえて、平成24年2月より@失神に備えて、接種後の移動の際には医療従事者あるいは保護者等が付き添うようにすること、A接種後30分程度は体重を預けられるような場所で、なるべく立ち上がることを避けて待機することを指導するように情報の提供を行っています。平成24年5月25日に開催された合同検討会においても、血管迷走神経反射の場合、前触れなく突然転倒すること、骨折等の二次被害に至った症例や前方に転倒した症例も報告されていることから、転倒に際し引き続き注意喚起が必要であるとしています。
 医療従事者においては、HPVワクチン接種者に対して、接種後に失神を起こし転倒による二次被害に至ることがあることを知らせるとともに、@ 接種後の移動の際には医療従事者あるいは保護者等が腕に手を添えて付き添うようにすること。A 接種後30分程度は体重を預けられる場所、例えば背もたれや肘掛けのある椅子で体重を預けて座る等で、なるべく立ち上がらないようにすることなど、失神による転倒を回避する対策の徹底をお願いするとともに、失神が発現した場合には、寝た姿勢で下肢を軽く上げ必要に応じて輸液や酸素投与を行う等の処置をすることとしています。

 

提供 : 株式会社スズケン



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