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<スズケンDIアワー> 平成24年9月13日放送内容より スズケン

医薬品・医療機器等安全性情報―最近の話題(29)-子宮頸がん予防ワクチンの安全対策について-


NTT東日本関東病院 薬剤部長
折井 孝男

icon 2価・4価HPVワクチンの交互接種(誤った接種)について

2価・4価HPVワクチンの交互接種(誤った接種)について

 2価HPVワクチンと4価HPVワクチンの交互接種、つまり誤った接種についてですが、両HPVワクチンは、それぞれ3回の接種が必要とされています。しかも3回の接種ともに同じHPVワクチンを接種することが必要です。両HPVワクチンは、適応疾患が一部異なること、そして、その互換性に関して予防効果及び安全性は確認されていないことから、両HPVワクチンの交互接種は推奨されていません。両HPVワクチンの添付文書の重要な基本的注意の項に、「互換性に関する安全性、免疫原性、有効性を示すデータは得られていない」ということが記載され、注意喚起がなされています。なお、同様の内容が米国ではCDC Advisory Committee on Immunization Practices(ACIP)によって注意喚起され、EUでは両HPVワクチンの添付文書で注意が喚起されています。しかしながら、製造販売業者のコールセンター等に寄せられた情報によると、2回目以降の接種で1回目の接種と異なったHPVワクチンが接種された誤まった接種の事例が2価HPVワクチンでは、平成24年4月30日までに27例、4価HPVワクチンでは、平成24年4月9日までに34例報告されています。誤まった接種の原因としては、被接種者への確認不足やカルテの確認不足、さらに、HPVワクチンの取り違えが挙げられています。特に前回接種を行った医療機関と異なる医療機関に来院した場合や、複数の被接種者が同時に来院した場合に、誤まった接種が起きているので注意が必要です。なお、誤まった接種の症例での副反応は、脱力感1例、筋肉痛、運動障害、筋骨格硬直、疼痛1例の非重篤の症例が2例報告されています。

icon 交互接種防止のための安全対策

2価・4価HPVワクチンの交互接種(誤った接種)防止のための安全対策

 誤まった接種防止のための安全対策としては、交互接種防止のための被接種者及び医療従事者への注意喚起のほかに、HPVワクチン接種歴が確認できる母子手帳の確認や製造販売業者によって提供されている被接種者が携帯できる接種カード型の資材による確認などが挙げられます。
 医療従事者においては、2回目以降の接種に当たり、カルテや母子手帳、接種カード等の確認、被接種者への聞き取りを徹底することにより以前に接種したワクチンを確認することが必要です。また、被接種者に対し、3回とも同じワクチンを接種する必要があることを理解させ、製造販売業者が作成している接種カード等の資材を活用し、次回接種時には接種カード等を持参することなどについて指導することが必要です。なお、他の医療機関で1回目あるいは2回目を接種し、被接種者の記憶があいまいで記録や接種カードがない等の理由で過去のHPVワクチンの名称が確認できない場合には、接種した医療機関に問い合わせをするなど、誤まった接種を防止することが大切です。

 

提供 : 株式会社スズケン



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