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<スズケンDIアワー> 平成24年9月27日放送内容より スズケン

腎細胞癌分子標的治療薬 アキシチニブ


慶應義塾大学泌尿器科教授
大家 基嗣

icon アキシチニブによるVEGFR阻害作用

アキシチニブによるVEGFR阻害作用

 アキシチニブはこのような状況で承認になった薬剤で、腎細胞癌に関与が高いとされるキナーゼの中で、VEGFR-1,2,3を選択的に阻害することで、効果を示す一方、標的以外の作用による毒性を軽減することも期待されています。
 アキシチニブはVEGFR-1、-2 を阻害することにより、腫瘍細胞の増殖および血管新生を抑制し、腫瘍増殖を抑えます。また、VEGFR-3を阻害することにより、リンパ管新生を抑制し、リンパ行性の転移を阻害することにより、抗腫瘍効果を示します。

icon 国際共同第Ⅲ相臨床試験(AXIS試験)から

 アキシチニブの国際共同第Ⅲ相臨床試験(AXIS)について紹介いたします。
 本試験は、転移性腎細胞癌患者を対象として、2nd line治療におけるアキシチニブとソラフェニブの有効性および安全性について比較検討するため、世界22ヵ国で実施された、多施設共同試験です。日本も参加した試験で、日本から登録された症例は54例でした。
 1st line治療としてサイトカインやスニチニブ等に抵抗性を示した転移性腎細胞癌患者715例を対象として、アキシチニブ1回5mg1日2回投与群またはソラフェニブ400mg1日2回投与群のいずれかに無作為割付して比較検討しました。主要評価項目には無増悪生存期間、副次評価項目には全生存期間、奏効率、奏効期間、安全性、QOLを設定しました。 また、本邦では、本試験に先立ち、サイトカイン抵抗性の転移性腎細胞癌患者64例を対象とした国内第Ⅱ相試験が実施されたことを申し添えます。

国際共同第Ⅲ相臨床試験(AXIS試験)

 AXIS試験での無増悪生存期間の中央値はアキシチニブ群で6.8ヵ月、ソラフェニブ群で4.7ヵ月であり、アキシチニブ群で有意な延長が認められました。2nd line治療薬のTKIとしてエビデンスの確立しているソラフェニブに対して、主要評価項目で有意な差が認められたため、2012年1月にFDAで承認を受けるに至りました。
 また、承認を受けた後も2012年 バージョン2のNCCNガイドラインには、2nd lineの治療薬としてカテゴリー1の推奨度で記載されています。
 ただし、今年のASCOでも発表になりましたが、現在、アキシチニブの1st lineの試験が進行中であり、将来的には1st lineの使用も可能になると考えられます。

 

提供 : 株式会社スズケン



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