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<スズケンDIアワー> 平成24年9月27日放送内容より スズケン

腎細胞癌分子標的治療薬 アキシチニブ


慶應義塾大学泌尿器科教授
大家 基嗣

icon 主な副作用

主な副作用

 アキシチニブはVEGFに選択的に働く薬剤ですが、副作用が全くないわけではないので、注意すべき副作用を上げたいと思います。
 ほとんどの副作用は類薬のTKIでも発現する副作用ですので、基本的には対処法は同じと考えても良いですが、その中でも特に注意すべき副作用は高血圧と蛋白尿です。
 高血圧については、海外データでも頻発する副作用ですが、とくに日本人においては発現率が高く、日本人107例での集計結果では、75%以上の症例に高血圧が認められました。ただし、高血圧については、適切な降圧治療で対応は可能ですし、拡張期血圧が臨床効果と相関があるとのデータも示されていますので、効果の予測因子としてのマーカーともなりうると考えます。
 次に蛋白尿ですが、治験時から日本人に多く発現する副作用として報告されています。腎細胞患者さんは、腎臓摘出術の後は、片腎の状態で腎機能が低下している場合が多いので、特に注意が必要です。アキシチニブ投与前の蛋白尿の有無を確認し、投与中は定期的に検査を行って、発現した場合は、用量調節基準に則り、減量や休薬の対応を行うことが重要です。ただし、適切な減量や中止を行うことで、蛋白尿から重症化したネフローゼ症候群まで進展した症例は認められませんでした。
 手足皮膚症候群については、まだ限られた治験の症例数ですので、断定的なことは言えませんがソラフェニブよりも軽度と思われますし、スニチニブのような血液毒性の副作用も少ないと考えられます。

 以上、アキシチニブにつき解説いたしましたが、本剤は腎細胞癌治療薬の分子標的薬として5番目、TKIとして3番目の発売となりますが、その作用と臨床効果はユニークなものであり、承認範囲内での使用は2nd lineに限定されていますが、近い将来には1st lineの適応拡大も考えられ、今後の腎癌薬物治療のスタンダードともなりうる可能性のある薬剤です。
 この度、私たちは新しい選択肢を手に入れました。世界で3番目に承認されたというアドバンテージを生かし、できるだけ早く日本での症例を集積し、日本発のデータを世界に発信していきたいと考えています。

 

提供 : 株式会社スズケン



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