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<スズケンDIアワー> 平成24年10月11日放送内容より スズケン

関節リウマチ治療薬 イグラチモド


東京大学アレルギー・リウマチ内科教授
山本 一彦

icon 関節リウマチの病態

 関節リウマチは進行に伴い関節の破壊と変形をきたし,やがては運動機能障害に至る自己免疫疾患です。病因については未だ明確にはされていないものの、その病態の主体である慢性滑膜炎の成因には、活性化した滑膜細胞および滑膜に浸潤したマクロファージやT細胞が産生するサイトカインが重要な役割を果たしているといわれています。このことは炎症性サイトカインをターゲットにした生物学的製剤の顕著な臨床的有効性からも支持されています。さらに、過剰な自己抗体の発現も関節リウマチの病態に関連していると考えられています。

icon 近年の関節リウマチの薬物治療

 近年の関節リウマチの薬物治療は、MTX及び生物学的製剤の登場により、大きくパラダイムシフトしました。すなわち、MTXに代表されるDMARDが関節リウマチ治療の中心的位置を占め、免疫異常の是正に基づく寛解導入の可能性から、診断後早期からのDMARDによる治療開始が推奨されています。さらに、生物学的製剤により、寛解を目指した治療が実現可能となり、「目標達成に向けた治療」(Treat to Target:T2T)のガイダンスがまとめられ、関節リウマチの治療の強化の認識の中から,2011年には関節リウマチの新寛解基準が定められました。

2012 ACR Recommendation

 2012年4月に発表されましたACRレコメンデーションにおいても、治療目標を「低疾患活動性もしくは寛解」とし、発症6ヶ月以上の患者さんであれば、低疾患活動性で予後不良因子がない患者さん、いわゆる軽度の患者を除いては、まずはMTXによる治療を開始することが推奨されています。そして、MTXが効果不十分であればTNF阻害薬などの生物学的製剤や、DMRDの併用が推奨されています。
 現在、我国においては11種類のDMARDと6種類の生物学的製剤が使用されていますが、MTXとの併用において明確なエビデンスが報告されたDMARDは多くはありません。また、DMARDに共通した問題点として、遅効性であり効果発現までに期間を要すること、効果を示さない患者であるノンレスポンダーの存在や長期間使用すると効果が減弱するエスケープ現象、および重篤な副作用があることなどが指摘されています。生物学的製剤においても副作用や合併症の安全性の面に加え、経済的な理由からも生物学的製剤を使用できない患者が存在します。
 以上の点より、関節リウマチの薬物治療における新たな選択肢として、新規の作用機序や作用動態を示すDMARDの登場が望まれています。

 

提供 : 株式会社スズケン



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