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<スズケンDIアワー> 平成24年11月1日放送内容より スズケン

DI実例集(176)医薬品適正使用のための添付文書の読み方


群馬大学病院薬剤部准教授・副薬剤部長
中村 智徳

icon 添付文書の熟読

 発売直後の新薬を使うにあたっては医薬品情報を注意深く読む必要があります。新薬の売込みに必死なMRからの情報提供に頼りきりになるのではなく、大変忙しいながらも医師自らが是非添付文書の熟読をお願い致します。「医療用医薬品添付文書」は薬事法に定められた法的根拠を示す公的文書で、特に添付文書の内容を順守せずに不適正な使用により有害事象が発生した場合は、医師・薬剤師の責任が問われることになります。
 平成5年に発生したいわゆるソリブジン事件を契機に、それまでの添付文書のあり方が見直され、使用する医師や薬剤師にとって的確な情報源となるよう、記載要領の改訂が行われました。

 医薬品添付文書の記載項目

 現在の添付文書はすべて、厚生労働省により改訂された記載要領に従い、優先順位を定め同じスタイルや同じ表現方法で記載されています。特に安全上の配慮から、添付文書の冒頭部分にその医薬品に関する「警告」や「禁忌」に関する情報が、赤字、赤枠をもって目立つように記載されています。またこの「警告」とは、致死的なまたは極めて重篤な非可逆的副作用が発現する可能性があり、細心の注意を払う必要がある場合に設けられています。
「禁忌」の項はさらに「禁忌」と「原則禁忌」とに分かれています。すなわち「禁忌」の項には、使用すべきではない患者の症状、原疾患、合併症、既往歴、体質などや併用すべきでない薬剤が記載されています。一方、「原則禁忌」には、本来禁忌ではあるが治療上の必要性に応じて使用せざるを得ない場合に十分な注意のもとで投与することが求められます。したがって、「原則禁忌」では、ほかに有効な治療法がない場合に限られることを意味しますので、処方する際には必ず頭に入れておく必要があります。絶対に見落とさないようにして下さい。また、「慎重投与」および「重要な基本的注意」についても必ず確認して下さい。
 医薬品の作用や特徴に関しては、「効能・効果」、「副作用」および「薬効薬理」の関係を理解するように読むことをお勧めします。
 薬物動態については若干難しい部分ではありますが、少なくとも薬剤の半減期だけは押さえて下さい。一般に半減期の長い薬は作用発現が遅く、投与を中断しても作用がいつまでも抜けない可能性があります。さらに薬剤の消失が肝代謝型なのか腎排泄型なのかが分かると、患者さんの肝機能や腎機能によって同効薬の中から安全な薬剤を選択することが出来ます。

 以上、医薬品添付文書の読み方について解説して参りましたが、添付文書には紙面に限りがあり、より詳細な情報を入手する必要がある場合には、医薬品・医療機器総合機構PMDAのホームページ(http://www.pmda.go.jp/)にある、各医薬品のインタビューフォームまたは承認資料概要等をご活用ください。

 最後に、添付文書を読んでみてわからないことがありましたら、是非お近くの薬剤師にお尋ねください。 

 

提供 : 株式会社スズケン



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