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<スズケンDIアワー> 平成24年11月8日放送内容より スズケン

先端巨大症治療薬 ランレオチド酢酸塩徐放製剤


東京労災病院 院長
寺本 明

 本日は、先端巨大症の治療薬であるランレオチド酢酸塩徐放製剤(商品名:ソマチュリン皮下注)についてお話しをさせていただきます。

icon 先端巨大症とは

 先端巨大症とは、脳下垂体の腫瘍から成長ホルモンが過剰に分泌され、その結果肝臓からInsulin-like-growth-factor 1(以下IGF-1)が過剰に生産されて、全身に様々な症候を来たす疾患であります。このIGF-1は、以前はソマトメジンCと言っておりましたので、そちらの方がなじみのある方も多いかと存じます。成長ホルモン、ひいてはIGF-1が過剰に生産されることにより、まず目立つ症状としては、顔や手足の腫大があげられます。顔は、額、ほほ骨、下顎の突出、鼻、唇、舌の腫大が特徴でありまして、その独特の風貌はしばしば教科書にも記載がある通りであります。

先端巨大症の診断

 この疾患は見た目で診断がつく‘気づきの病気’と言われております。すなわち、医療者を含め誰かが先端巨大症ではないか?と疑えば、その後の診断自体は容易であります。もちろん症候は顔や手足と言った見える部位だけでなく、全身に及び、骨や関節の変形・腫大とともに、よくある症状としては、発汗過多、頭痛、月経異常、睡眠時無呼吸、などがあり、大きな腫瘍になると視神経を圧迫して視力視野障害を来たします。更に、糖尿病、高血圧、高脂血症などを高率に合併したり、大腸がんや乳がんの発生にも関連があるとされております。その結果、先端巨大症を治癒しないままにしておくと、生命予後が有意に不良になることが、いくつかの大規模臨床研究から明確に示されております。なお、この先端巨大症を含んで、脳下垂体腫瘍は基本的に成人の病気でありますが、稀には15歳未満の小児に発症することがあります。その場合は、いわゆる巨人症、正確には下垂体性巨人症を来たすことになります。その定義は、先端巨大症と同じような病態のもとに、最終身長が男性では185cm以上、女性では175cm以上か、そうなると予想される場合と定義されております。なお、高身長の原因は成長ホルモン産生下垂体腫瘍だけではありませんので、高身長イコール下垂体性巨人症とは申せません。

 

提供 : 株式会社スズケン



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