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<スズケンDIアワー> 平成24年11月8日放送内容より スズケン

先端巨大症治療薬 ランレオチド酢酸塩徐放製剤


東京労災病院 院長
寺本 明

icon 先端巨大症の治療

先端巨大症の治療法

 成長ホルモン産生下垂体腫瘍の治療の第1選択は手術、特に鼻からアプローチする経蝶形骨手術であります。最近は、一側の鼻腔から内視鏡を挿入して蝶形骨洞に至り、トルコ鞍を開窓して、腫瘍のみを選択的に摘出するという手法が主流を成しております。この手術は脳を直接触らないという点から侵襲が極めて少なく、また体の外表に手術創痕を残さないという点でも優れたものであります。手術により、マイクロアデノーマという小型の腫瘍は90%以上の治癒率が得られます。しかし、大きな腫瘍も含めると、先端巨大症全体の手術治癒率、すなわち成長ホルモンの正常化率は60-70%と見られます。これを仮に約三分の二といたしますと、残り三分の一の患者には何らかの後療法が必要になってまいります。これには、薬物療法と放射線療法がありますが、一般にはまず薬物療法が選択されます。

先端巨大症の薬物療法

 先端巨大症の薬物療法には、目下3種類あり、一つ目は、経口薬であるドパミン作働薬、すなわち、ブロモクリプチン(商品名:パーロデル)やカベルゴリン(商品名:カバサール)であります。ただ、ブロモクリプチンは有効な症例が10%未満と多くありません。成長ホルモンの分泌が正常化にまで至る症例はごく少数であります。また、カベルゴリンは、パーキンソン病の治療に用いる程度の多めの投与量を与えると有効な症例が増えるとの報告がありますが、少量投与では治療効果は極めて限定的であります。更に、目下、カベルゴリンは我が国では先端巨大症に保険適応はありません。
 第2は注射薬で、ソマトスタチン誘導体に属し、従来オクトレオチド酢酸塩(商品名:サンドスタチン)が用いられてまいりました。本日ご紹介するランレオチド酢酸塩徐放製剤もこのジャンルに入ります。詳細はのちほどお話しすると致しまして、第3の薬剤は、やはり注射薬で、成長ホルモンの受容体拮抗薬であるペグビソマントであります。前2者が、成長ホルモンの分泌自体を抑制しようとするのに対し、この薬剤は成長ホルモンの受容体をブロックして、IGF-1の生産を抑制させる働きがあります。1日1回の連日皮下投与を必要と致します。

先端巨大症の治療方針

 実際には、少数例のドパミン作働薬有効例を除き、第2の薬剤であるソマトスタチン誘導体が薬物療法の主体であり、その効果が不十分な場合などに第3の薬剤が用いられます。なお、放射線治療は、これらの薬物療法が無効な患者や、何らかの理由で薬物が使用できない患者に行います。下垂体腫瘍に対して、通常の分割照射法はまれであり、最近はガンマナイフやサイバーナイフと言った定位的放射線治療が用いられております。

 

提供 : 株式会社スズケン



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