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<スズケンDIアワー> 平成24年11月22日放送内容より スズケン

新薬の薬価算定根拠(40)


日本大学薬学部薬事管理学 教授
白神 誠

icon 平成24年度の薬価改定の概要について

 今日は、少し時間がありますので、これまでお伝えできていなかった平成24年度の薬価改定の概要をお話しします。ご承知のように、平成24年度の薬価の全面改定は平成24年3月5日に官報告示され、平成24年4月1日から実施されています。
 薬価改定後の新しい薬価は、市場実勢価格加重平均値調整幅方式により算定されています。この市場実勢価格加重平均値調整幅方式とは、それぞれの薬価基準収載医薬品について薬価調査を行い、税抜市場実勢価格の加重平均値を保険医療機関等における平均的購入価格とし、これに1+消費税を掛け、最後に調整幅を加えたものです。調整幅については、改定前の薬価に2%を掛けた額とされました。
 今回の改定でも、新薬創出・適応外薬解消等促進加算の試行が続けられました。この加算の対象となるためには、薬価収載後15年以内でかつ後発品が収載されていないこと、市場実勢価格と薬価とのかい離率が、薬価収載されている全医薬品の平均のかい離率を超えないこと、再算定対象品でないことのいずれをも満たさなければなりません。加算要件を満たした製品は、367成分、702品目で、これは後発品のない先発品全体の約35%を占めています。
 加算要件を満たした品目については、市場実勢価格加重平均値調整幅方式により算定された薬価にすべての既収載品の平均かい離率から2%を引いた率を掛けた額の80%が加算されます。今回の改定では、すべての既収載品の平均かい離率は6.9%でしたのでかい離率が5.77%以下であった品目は改定前の薬価が維持されることになります。これに該当するものは542品目で、これは加算要件を満たした全品目の77.2%に当たります。
 加算の対象となる品目を最も多く有していた企業は、グラクソ・スミスクラインで23成分、51品目でした。以下、ファイザー22成分、43品目、中外製薬14成分、35品目、MSD21成分、34品目、ヤンセンファーマ156成分、32品目、ノバルティスファーマ17成分、30品目の順で、上位はいずれも外資系企業でした。内資系企業ではアステラス製薬の10成分、25品目が最上位で7番目でした。
 また、前回の薬価改定においては加算の対象でしたが、今回加算要件を満たさなくなったために、前回の加算対象額を控除された品目は69品目でした。

 後発品が初めて薬価収載された先発品については、市場実勢価格に基づく算定値から基本的に4〜6%が追加引き下げされました。今回その対象となったのは、35成分96品目でした。
 さらに、先発品から後発品への置き換わりが予想を下回ったたに、その精算分として市場実勢価格に基づく算定値から、後発品のある先発品については、0.86%、後発品については0.33%が追加で引き下げられました。

 そのほか、予想以上に売り上げが拡大したために市場拡大再算定の対象となったものが、16成分、48品目、小児適応の効能追加等が行われたために加算の対象となったものが7成分、18品目、希少疾病の効能追加等が行われたために加算の対象となったものが4成分、10品目、不採算品のために引き上げが行われたものが104成分、365品目でした。 以上の結果、改定率は、薬価ベースで6.0%、医療費ベースに直すと1.26%となりました。また、収載医薬品の告示数は、内用薬8629品目、注射薬3820品目、外用薬2426品目、歯科用薬剤27品目で、合計14902品目となっています。

 

提供 : 株式会社スズケン



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