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<スズケンDIアワー> 平成24年12月20日放送内容より スズケン

DPP-4阻害糖尿病治療薬 アナグリプチン


那珂記念クリニック院長
遅野井 健

icon 2型糖尿病の病態改善とインクレチンの関与

 近年、2型糖尿病の病態にGLP-1やGIPといったインクレチンの作用不足が、深く関与することが明らかになってきました。そして、インクレチンを分解する酵素である、DPP-4の阻害薬が、新規の糖尿病治療薬として登場し、瞬く間に100万人を超える多くの患者さんに処方されるようになりました。
 インクレチンは、栄養素の摂取によって消化管から分泌されるホルモンで、これが膵臓に作用すると、血糖依存性にインスリン分泌が刺激されたり、血糖上昇ホルモンであるグルカゴン分泌が抑制されることが知られています。インクレチン濃度を高く維持することで、血糖管理に重要な2つのホルモンをコントロールすることは、2型糖尿病の病態が大きく改善することを意味しており、インクレチン関連薬には大きな期待が寄せられています。本邦におけるDPP-4阻害薬の臨床使用は、2009年末に始まり、最初のシダグリプチン、次いでビルダグリプチン、アログリプチン、リナグリプチン、テネリグリプチンが使用され、この度アナグリプチンが登場しました。テネリグリプチンとアナグリプチンは創薬から開発まで全て日本で手掛けられた純国産の薬剤です。本日は、この一番新しいDPP-4阻害薬であるアナグリプチンの特徴と実際の具体的使い方について、紹介したいと思います。

icon アナグリプチンの概要

 アナグリプチンは、三和化学研究所で創薬され、第U相試験までは三和化学研究所が行い、第3相より興和創薬と共同で開発されたDPP-4阻害薬で、本年(2012年)9月に製造販売が承認され、11月30日よりスイニーという名前で販売が開始されました。
 アナグリプチンは、通常 1回1錠100mg、1日2回朝夕で服用し、1回量を200mgまで増量可能な薬剤です。DPP-4阻害薬の選択においては、他の血糖降下薬との併用が重要なポイントとなりますが、このアナグリプチンは、α-GI、ビグアナイド、SU薬およびチアゾリジン系薬剤と、幅広く併用が可能な、使い易い薬剤です。 開発時の副作用は19.9%で認められましたが、ほとんどが便秘、低血糖、便潜血といった軽微なものでした。排泄は主に腎臓であり、尿中に73.2%、糞中に25.0%が排泄されます。
 肝障害患者では血中濃度は上昇しにくく、重度以上の腎機能障害患者には1日100mg1回に減量することで、対応が可能となっています。

各種DPP-4阻害剤の注意事項

 

提供 : 株式会社スズケン



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