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<スズケンDIアワー> 平成24年12月20日放送内容より スズケン

DPP-4阻害糖尿病治療薬 アナグリプチン


那珂記念クリニック院長
遅野井 健

icon アナグリプチンの併用効果

 世界的に、DPP-4阻害薬の評価が高まっていますが、高薬価であることが、国際糖尿病連合のガイドライン等でも、指摘されています。そのなかでも、アナグリプチンは1錠83円と低薬価であり、併用薬剤も多く、患者負担も考慮しなければならない、糖尿病治療では大きなメリットになるといえます。
 私はこれまで、α−GIとメトホルミンを中心にして治療してきましたが、さらにDPP-4阻害薬を加えた、3剤による組み合わせが、非常に有効であることを実感しています。臨床薬理試験において、アナグリプチンは、メトホルミンとの併用によって、活性型GLP-1も非常に高濃度に維持でき、血糖がさらに平坦化することが示されています。メトホルミンは1日2〜3回の投与が一般的であり、アナグリプチンとの飲み合わせは良好です。

アナグリプチンとメトホルミンとの併用

 一方、ミグリトール(商品名セイブル)は、食後早期の血糖上昇抑制に特に優れており、同じα-GIの中でもGLP-1の分泌促進とGIPの分泌抑制が強く、インクレチンを、GLP-1優位にシフトすることが報告されています。
 これらの作用によって、アナグリプチンとの併用では、さらに血糖は低くコントロールされることが期待されます。
 このような観点から、私は、外来2型糖尿病患者にメトホルミン、ミグリトール、そしてアナグリプチンを併用する臨床試験を開始し、その結果に大いに期待しているところです。
 さらに今後は、DPP-4阻害薬による大血管障害の進展阻止や膵β細胞の保護作用といった様々なエビデンスが示されることを期待しています。また、種々のDPPW阻害薬ごとに、さまざまな多面的な効果があることも明らかにされていくことでしょう。
 特にアナグリプチンではLDL-コレステロール低下作用を有するという、治験での解析データが示されています。2型糖尿病患者の治療においては、心血管疾患リスクへの十分な配慮が必要であり、これは注目すべき作用と言えます。

アナグリプチンの LDL-C 低下作用

 以上、アナグリプチンは、個々の患者に応じた、幅広い用量調整が可能であり、インクレチンの作用を十分に発揮させることで、2型糖尿病の病態を、大きく改善させる可能性があり、LDL-C低下作用も認められることから、大変期待されるDPP-4阻害薬と言えるでしょう。

 

提供 : 株式会社スズケン



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